PR

地方 地方

原発の必要性訴えた岸本・玄海町長引退へ 「エネルギー政策、言うべきことを言う」

Messenger

 佐賀県玄海町の岸本英雄町長は8日、健康上の理由から、任期満了に伴う7月の町長選に出馬せず、3期で引退する意向を表明した。岸本氏は、東京電力福島第1原発事故の後、反原発のムードが高まる中でも、日本のエネルギー事情から冷静に原発の必要性を訴え、九州電力玄海原発の再稼働に道筋を付けた。(中村雅和)

                   ◇

 岸本氏は同日、町議会本会議で、脇山伸太郎町議の質問に対し、「体調がついていかず、立候補を控えさせていただきたい」と述べた。後継指名はしなかったが、岸本氏は以前から周囲に「原発をはじめ、エネルギー政策に理解がある人が望ましい」と語っている。

 岸本氏は県議3期を経て平成18年に同町長選で初当選した。2期目の23年3月、福島原発の事故が起きた。

 事故後の23年6月、民主党政権の海江田万里経済産業相が玄海町を訪れ、「政府が安全性の責任を持つ」と断言し、玄海原発再稼働を容認するよう求めた。

 岸本氏は「震災後の日本が元気を出すには、運転再開が必要だ」として再稼働に同意した。

 ところが、菅直人首相が唐突にストレステスト実施を打ち出したため、再稼働は立ち消えとなった。

 その後も、玄海原発の早期再稼働に、精力的に動いた。

 「玄海町で生まれた電力が、長年、九州経済を支えてきた。町民はその誇りを持っている」

 岸本氏は常々、こう語った。町内だけでなく、原発ゼロによる電気料金の上昇が、日本の社会生活や経済活動へ悪影響を及ぼすと、警鐘を鳴らした。

 反原発派から「金のためだ」などと非難の暴風にさらされた。

 それでも「原発を今すぐ止めるとすれば、エネルギーをどう確保するのか」と揺らがなかった。再生可能エネルギーなど代替電源の可能性を認めながらも「開発の原資を確保するには、原発を利用するほかない」と、現実を冷徹に踏まえた議論を求めた。

 情緒的に反対し、レッテル貼りをするメディアや政治家に対しては「エネルギー政策という国の根幹を揺るがす」と批判した。

 岸本氏は今年2月、産経新聞のインタビューに応じ、玄海原発のリプレース(建て替え)や新増設の必要性を強く訴えた。

 「計画し、実行するには10年単位の時間がかかる。ここ2~3年で結論を出さないと、将来にわたっての安定供給継続はままならなくなる。九電に言うと困った顔をされるが、それでも言うべきことは言わなければならない」

 町長選は7月24日に告示、29日に投開票される。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ