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【被災3県知事インタビュー】(上)岩手・達増知事 復興需要依存の脱却図る

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【被災3県知事インタビュー】
(上)岩手・達増知事 復興需要依存の脱却図る

 今月11日で東日本大震災から、7年。これを前に、岩手、宮城、福島の3県知事が産経新聞のインタビューに応じた。平成32年度末には、発災からおおむね10年、政府が設定した「復興期間」が終わる。復興の“総仕上げ”となる時期に差し掛かるいま、課題や今後の展望を聞いた。

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 --震災からまもなく7年。いまの所感を

 「住まいの再建がフィニッシュに向かう段階に来ている。災害公営住宅の完成を実現し、市町村の持ち家再建のための宅地造成を支援していきたい。なりわいの再生の面では、商店街や商業機能の再生が本格化するところがあるので、しっかりと支えていきたい」

 --新年度に注力していく分野、施策は

 「販路の確保、拡大をしっかりやりながら、人手不足問題を克服していくような生産性向上や経営者も含めた人材育成、農林水産業の担い手確保に力を入れていく」

 --平成32年度末に復興庁は廃止されることになっている。後継組織の必要性の有無や、そのあり方についてどう考えるか

 「東日本大震災の発生に伴う特別な施策は、10年経った後でも必要性はある。やはり復興の視点から省庁横断的に地域をみるような機能が何らかの形であることは必要だ」

 --今後、土木事業を中心に復興需要が減り、景気の落ち込みも予想される中、被災地の自立と地方創生をどう進めていくか

 「復興需要にいつまでも依存するわけにはいかない。復興需要以外の生産やサービスの提供に人や資本がシフトしていく必要がある。そういういわば産業構造の転換というのを図っていかなくてはならない。交通ネットワーク効果を生かしていくような産業振興、地域振興というのが大事と考える」

 --南北(リアス)線がつながる三陸鉄道を、復興にどのように役立てていくのか

 「南北直通運転を生かした柔軟なダイヤ編成や、企画列車のような新しい工夫をしていきたい。駅を中心としたまちづくりにはそれぞれ沿線市町村の期待も高く、生まれ変わる駅を中心にしたまちづくりがうまくいくように、県も努めていく」

 --被災地の人口減少をどう食い止めるか。特に若者の定住促進に向けてどう取り組むか

 「基幹産業の漁業の再生、水産加工業や商業、観光業の再生によって魅力的な働く場をつくっていく。住宅の再建や病院など社会的施設の再建によって、ビルドバックベター、震災前よりもより良い地域に復興させていき、仕事、暮らし両面で魅力的であるようにしていきたい」(聞き手 土樋靖人)