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礎を築いて140人が巣立つ 福島ふたば未来高で初の卒業式

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礎を築いて140人が巣立つ 福島ふたば未来高で初の卒業式

 東京電力福島第1原発事故の影響で休校した双葉郡内の県立高5校を集約する形で平成27年4月に開校した「県立ふたば未来学園高」(広野町)で1日、卒業式が開かれ、1期生140人(男子93人、女子47人)が学び舎を巣立った。(内田優作)

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 式には保護者300人のほか、教諭、在校生、関係者ら計約440人が参列。拍手に迎えられ、卒業生は緊張した面持ちで体育館に入場した。卒業生の名前が読み上げられ、丹野純一校長が各クラスの生徒代表に卒業証書を手渡した。証書の朗読では、丹野校長が声を詰まらせる場面も。

 丹野校長は「この学校から小さな変革者が何人も生まれた。一人一人の挑戦に心から拍手を送りたい」とそれぞれの3年間をたたえた。

 式には同高を支援する「ふたばの教育復興応援団」のメンバーの小泉進次郎衆院議員や、ソフトバンクなどのテレビCMを手掛けたクリエーティブ・ディレクターの佐々木宏さん(63)、元陸上競技選手の為末大さん(39)らも駆け付け、卒業を祝った。

 卒業生を代表して鯨岡洋星(ひろせ)さん(18)が「この学校の礎を築いて巣立つことができることを誇りに思う。先生や応援団、地域、保護者の皆さんのおかげでかけがえのない3年間を過ごせた」と感謝を述べた。

 約2時間の式を終えた卒業生は写真を撮ったり、寄せ書きを交換したりして別れを惜しんだ。在学中、内閣府主催の地方創生の政策コンクールで入賞した高橋涼花(りょうか)さん(18)は神奈川県内の大学に進む。「学んだことを福島に持ち帰り、復興の役に立ちたい」と抱負を口にした。

 昨年の全国高校総体のバドミントン女子ダブルスで全国制覇した由良なぎささん(18)は「3年間で人間として大きくなれた。大学では勉強とバドミントンを両立したい」。ソフトテニス部だった田熊晴人さん(18)は「3年間はあっという間だった」といい、4月からは仙台市の美容専門学校に通う。

 震災前に浪江町で暮らしていた渡部亘史(こうし)さん(18)は、県内の大学に入り社会福祉士を目指す。「浪江の友達と一緒に勉強できた。『ふたば未来』に入ってよかった」と語った。

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 ■ふたば未来学園高 東日本大震災や原発事故からの復興を担う人材育成を目的に開校。昨年4月現在の在校生は422人。建学の精神は「変革者たれ」。進学やスポーツ、福祉のほか、実地調査などを通して地域再生に実践的に取り組む過程もある。来年4月の中学校開校に向け、中高一貫の新校舎を建設中。今回の卒業生140人中92人が、福島第1原発が立地する双葉郡の出身で、事故による避難を経験した。