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子育て支援情報を学校から発信 都、保護者に冊子配布

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子育て支援情報を学校から発信 都、保護者に冊子配布

 ■福祉と教育“縦割り行政”越え連携

 子育てに関する福祉施策の情報を保護者に確実に届けようと都は23日、公立小1年生の保護者に、生活困窮世帯が受けられる支援策など福祉の窓口につながる情報を盛り込んだ冊子「とうきょう子育て応援ブック」を配布すると発表した。福祉と教育の現場が“縦割り行政”の壁を越えて連携する取り組みで、今春入学する新1年生約10万人にも配布する。

 都によると、平成28年度に実施した調査で、1人親世帯の保護者のうち、6・4%が申請すれば受けられる「児童育成手当」を「知らない」と回答。一定所得以下の世帯に塾費用や受験料を無利子で貸し付ける制度についても、全世帯の31・1%が知らず、都が用意する福祉施策の認知度の低さが浮き彫りになった。

 一方、小中高校の保護者の8割以上が「学校からのお便り」で子供に関する施策情報を受け取っていることも判明。学校を、福祉情報を提供するプラットフォーム(基盤)とし、必要としている層に確実に情報を届けることを目指す。

 学校現場で福祉情報を提供することは、緊急を要する虐待事案などを除いて積極的に行われてこなかった。その理由を都福祉保健局の幹部は「支援が必要な人に対応する福祉行政と、すべての子供に平等に接する学校現場ではスタンスの違いがある」と説明。1人親世帯や困窮世帯など対象を限定した情報提供は教育現場になじまないという。

 こうした点に配慮し、応援ブックでは、全世帯が利用できる地域の学習支援の取り組みや子供食堂などの施策を紹介。「お金のサポートを受けたい」「仕事を探したい」といった経済的支援のテーマも盛り込み、気軽に情報に触れられるように工夫した。

 応援ブックはA5判32ページで20万部を作成。26日から小学校のほか、区市町村の子育て支援窓口、都庁の案内コーナーなどで配布し、都福祉保健局のホームページでも閲覧できる。

 子供の貧困問題などに詳しい跡見学園女子大の鳫咲子教授の話「子育て世帯を対象にした行政制度で、分かりにくいものがあるのも事実。学校を通じ子育て支援を周知することで、保護者の申請漏れも少なくなっていくだろう」