産経ニュース

古民家カフェ、復興の拠点 九州豪雨で被災の日田の住民グループが今春に開店

地方 地方

記事詳細

更新


古民家カフェ、復興の拠点 九州豪雨で被災の日田の住民グループが今春に開店

古民家カフェのオープンに向け、準備を進める石井幹夫さん(右)ら 古民家カフェのオープンに向け、準備を進める石井幹夫さん(右)ら

 昨年7月の九州北部豪雨で大規模な山崩れが起きた大分県日田市の小野地区で、住民グループ「すずれ元気村」の石井幹夫代表(68)らが復興の拠点にしようと、古民家カフェ「谷のくまちゃん家(げ)」のオープンに向けた準備を進めている。自宅が全壊し、集落を離れた住民も多いが、「避難している住民がたまに帰ってきて、気軽に話せる場所を作りたい」と今春の営業開始を目指す。

 小野地区にある鈴連町では、豪雨で崩れた土砂に川がせき止められてダム化し、家が水没した。流木による被害も生じた。

 日田市によると、被災から半年が過ぎてもなお、約1割に当たる12世帯の計36人が市営住宅などで避難生活を送る。親類宅に身を寄せる住民もいる。

 すずれ元気村はもともと、平成24年に見舞われた前回の豪雨被害からの復興を目的にメンバーが集まった。実は、古民家カフェはその一環で作られ、今回の豪雨の目前にオープンを控えていた。

 被害は幸いガラス1枚が割れただけにとどまったが、周囲の道路や住宅は土砂に埋もれた。

 石井氏らは「何とか、ここを街の復興の拠点にしなければならない」と、住民同士のつながりを確かめ合えるような、新たな語らいの場にしようと決めた。

 昨年11~12月、週末限定でカフェの営業に踏み切った。コーヒーの香りが立ち上る店内で、住民らが楽しくおしゃべりに花を咲かせるのを見て、石井氏は目頭を熱くした。

 ただ、避難中の人の多くが、この先の生活を決めかねている。またいつ来るかも分からない災害を恐れ、地区に帰るのをためらう人もいる。

 石井氏は「住民の皆さんがカフェで元気にしている姿を見たら、きっと故郷に戻ろうと思ってもらえるはずです」と開店に向け、期待を込める。