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九大起業部からベンチャー第1号 「病理診断で世界展開を」

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九大起業部からベンチャー第1号 「病理診断で世界展開を」

会社概要を説明する飯塚統氏(右)と熊野正樹准教授 会社概要を説明する飯塚統氏(右)と熊野正樹准教授

 ■AI活用、ソフト開発

 九州大学は23日、学生ベンチャーを創出する部活動「起業部」から、起業第一号が誕生したと発表した。画像データとコンピューターソフトを使って病理診断をする「メドメイン」で、医学部4年の飯塚統(おさむ)氏(26)が社長を務める。記者会見で飯塚氏は「世界展開を目指して頑張っていきたい」と意欲を語った。(高瀬真由子)

 病理診断は、患者から採取した細胞を顕微鏡で観察するなどして、病気の有無や種類を判断する。

 飯塚氏らは、病理診断の専門知識を持った医師が、慢性的に不足していることに着目した。AI(人工知能)も駆使して、画像データを分析するソフト開発を進めている。

 同様のソフト開発は、米国や韓国などの研究グループも取り組んでいる。どの病院でも使える製品は、まだ市場に出ていないという。

 メドメインは九大病院と連携して、病理医と同等以上の高い精度で診断できるソフトを目指す。飯塚氏は「病院からのデータ提供が、私たちの大きな強み。2年以内のソフトウエア提供を目指す」と説明した。

 会社は今月11日に設立。本社は福岡市中央区に置き、従業員は九大生4人を含む計6人。

 九大起業部は大学公認の部活動として、昨年6月に設立された。メンバーは、国内外のビジネスプランコンテストに応募しながら事業性を高めている。

 顧問を務める学術研究・産学官連携本部の熊野正樹准教授は「(メドメインの)チームは、米シリコンバレーのコンテストでも優勝した。起業部から10年間で50社のベンチャーを創出し、うち5社は上場させたい」と語った。

 九大の久保千春学長は「画像診断の分野は、今後ますます進み、競争も激しい。大学として、柔軟な発想で意欲に燃える学生をサポートしたい」と述べた。