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「故郷に認められ本当にうれしい」 さいとう・たかをさんに和歌山県文化賞授与

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「故郷に認められ本当にうれしい」 さいとう・たかをさんに和歌山県文化賞授与

 文化の向上や発展に貢献してきた県ゆかりの人々に贈られる県文化賞の表彰式が19日、県庁で行われ、劇画「ゴルゴ13」の作者として知られる県出身の劇画家、さいとう・たかを=本名・斉藤隆夫=さん(81)に表彰状とメダルが贈られた。生後まもなく和歌山を離れたというさいとうさんは「和歌山生まれだと認めてもらった気がしている」と感慨深げに語った。

 さいとうさんは、理髪師をしながら約2年かけて執筆した「空気男爵」で昭和30年にデビュー。その後、大人向けの写実的な絵でシリアスなストーリーを展開する「劇画」というジャンルを確立した。スナイパー(狙撃手)の主人公、ゴルゴ13ことデューク東郷が、世界をまたにかけて縦横無尽に活躍する代表作「ゴルゴ13」は昭和43年の連載スタート以来、国民的な人気を誇っており、今年で連載50年に突入する。

 現在は東京都内で暮らすさいとうさんだが、元々は西和佐村(現和歌山市)の出身。ただ、生後まもなく転居して大阪などで育っており、さいとうさん自身も43歳になるまで和歌山で生まれたことを知らなかったという。

 この日、仁坂吉伸知事から表彰状を受け取ったさいとうさんは、「ただただ驚いている。この年になっても生まれ故郷に認められたことは本当にうれしい。『和歌山健児』だと認められた気がしている」と語った。また、今後作品の舞台に和歌山を取り上げるかどうかと問われると、「良い話でなら書きたい」と将来的な執筆の可能性を示唆した。

 このほか、和歌山市民合唱団の指揮者などを務めてきた杉原治さん(83)=和歌山市=と、爬虫類(はちゅうるい)や両生類の研究者で自然保護活動にも尽力してきた玉井済夫さん(79)=田辺市=に文化功労賞が贈られたほか、化学者の金子達雄さん(46)=石川県、チェリストの谷口賢記さん(39)=東京都、国の重要無形民俗文化財に指定されている「河内祭(こうちまつり)」の継承に努めてきた「古座川河内祭保存会」=所在地・串本町=には文化奨励賞が授与された。

 県文化学術課によると、受賞者に関連する記念イベントを今後、開催するという。仁坂知事は「健康に留意し、一層の活躍を期待したい。今後も県の文化の振興に力添えをお願いしたい」と祝辞を述べ、受賞者らをたたえていた。