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元上尾市長ら初公判 3者の癒着浮き彫り 接待で蜜月…誓約書も

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元上尾市長ら初公判 3者の癒着浮き彫り 接待で蜜月…誓約書も

 上尾市の入札情報漏洩(ろうえい)事件で、公契約関係競売入札妨害などの罪で起訴された元市長の島村穣被告(73)ら3人の初公判で、入札情報を漏らすことなどを盛り込んだ誓約書を業者側と島村被告側が交していたことが明らかにされた。あっせん収賄などの罪に問われた元市議会議長、田中守被告(72)も同様の誓約書に署名。同市の行政と議会の両トップ、業者の3者による癒着の構図が浮かび上がった。

 検察側の冒頭陳述などによると、贈賄などの罪に問われたさいたま市浦和区の設備会社「明石産業」社長、山田明被告(82)側は平成23年ごろから、田中被告に対して接待などを繰り返すようになった。山田被告は田中被告を通じて島村被告とも関係を構築。26年12月には直接接待をするようになり、両者の蜜月関係が築かれていった。

 同社は27年にあった同市のごみ処理施設「西貝塚環境センター」の運転管理業務の受注に失敗。その後、29年1月の同センターのペットボトル処理事業の入札で、最低制限価格を引き上げた上で入札情報を漏らすよう働きかけを強め、島村、田中両被告が了承。28年11月中旬、誓約書に署名した。

 起訴状によると、28年12月~29年1月、さいたま市のホテルなどで、山田被告側が、同センターのペットボトル処理事業の入札情報を島村被告から教えてもらえるよう田中被告に依頼し、見返りとして田中被告に現金50万円を提供。島村被告が予定価格などを教え、入札を妨害したとしている。

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 ■再発防止策に問われる本気度 「まだ利権で食っている者が…」

 「市議会の雰囲気は多少良い方向に変わっていると思う。以前は議長のやりたい放題だったから」。ある上尾市議は実感を込めてこう話した。島村、田中両被告の初公判が行われた16日、同市議会12月定例会が閉会した。先月17日の出直し市長選で当選した元県議、畠山稔市長にとって初の議会だった。

 畠山市長は、事件の原因究明と再発防止策として、第三者による調査委員会の設置、談合防止条例の制定などを選挙公約に掲げた。10日の一般質問でも「上尾市は市民からの信頼を失うことになった。今後、しがらみのない公正な政治を推進し、公平な行政運営を行っていく」と改めて決意表明を行った。その上で、第三者委員会を平成30年度早々に設置する方針を明らかにした。

 「できるだけ早く」とのただし書きが入ったものの、市長などの特別職にも適用されるコンプライアンス規程や、職員の責務を定めた条例の議会への上程を職員に指示した。コンプライアンスに関する研修の実施、官製談合の防止マニュアルの作成も検討するという。

 16日の初公判で島村被告が起訴内容を認めたことについて、畠山市長は「事件は市民の期待を裏切るもので、誠に残念なことと受け止めている。今後は一刻も早い市民の皆さまの信頼回復に向け、全力で取り組む」とコメントし、スピーディーな対応を強調した。

 畠山市長が議会で独自色を出そうとする中、ある市議は「議員の中には、まだ市の利権で食っている者がいるのも事実。再発防止策をいろいろ制定するのは結構だが、実効性のあるものにしないと意味がない」と指摘。その上で「畠山市長が本気で『上尾を変えたい』と思っているかが問われている。八方美人的な対応では結局、島村前市政と変わらないだろう」とくぎを刺した。 (大楽和範)