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【数字から見える千葉】カブの収穫量全国1位 地域資源活用し町おこしを

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【数字から見える千葉】
カブの収穫量全国1位 地域資源活用し町おこしを

ちばぎん総研研究員、黒島麻友 ちばぎん総研研究員、黒島麻友

 □ちばぎん総研調査部研究員・黒島麻友

 本県は全国トップのカブの産地である。平成28年の収穫量は3・6万トンと2位の埼玉県(同1・7万トン)に大差をつけ、全国シェアは3割近くを占めている。県内の主なカブの産地は柏市、東庄町、松戸市で、なかでも柏市は市町村別で全国1位の生産量を誇り、これから冬場に向けて出荷は最盛期を迎えようとしている。

 春の七草のスズナとして親しまれてきたカブは、アフガニスタンや地中海沿岸地域が原産地といわれ、ヨーロッパでは紀元前から栽培されてきた。日本には弥生時代に中国から伝わったとされ、「日本書紀」には持統天皇が主食を補う作物として栽培を奨励したという記述があるなど古い歴史をもつ。

 カブの品種は、西日本で広く栽培される大カブ(千枚漬け用など)と小カブに大きく分かれるが、県産カブは後者になる。小カブ栽培が県北部に根づいたのには諸説あるが、春先の青物が少ない時期に出荷できるように明治期に品種改良された金町小カブ(東京府南葛飾郡金町村)が、大正期に江戸川を越えて県内に定着したという説も有力だ。

 主力産地の柏市では地元カブの知名度アップに熱心に取り組んでいる。手賀沼周辺地域のフルーツと野菜をテーマにしたイベント「手賀沼フルベジツーリズム」が今春初めて開催され、「手賀沼かぶクルーズ」と称した柏のカブを語り尽くす船旅が人気を博した。

 また、8月の手賀沼花火大会ではご当地キャラクターの「カシワニ」などとともに、カブをかたどった花火を打ち上げたほか、規格外のカブを活用した「柏のかぶソフトクリーム」を道の駅しょうなん内レストランで販売している。

 さらに、市内小・中学校の給食では「麻婆かぶ丼」や「カブの白いスープ」といったメニューを食育に活用したり、ゆるキャラ「こかぶちゃん」がPR活動に励んだりと、行政と農業団体が手を組んで「柏のカブ」という地域資源を活用した地域活性化に取り組んでいる。

 県内には、全国的な知名度は高くはないけれど、地域団体(ブランド)商標を持つ船橋にんじんや矢切ねぎなど、キラリと光る魅力を有する地域資源が数多く眠っている。これらの地域資源に関係者が一体となって一層スポットを当て、町おこしにつなげていってはいかがだろうか。(寄稿、随時掲載)