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【衆院選】「安倍1強」批判を前面に 野党、どんな日本つくるか見えず 九州

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【衆院選】
「安倍1強」批判を前面に 野党、どんな日本つくるか見えず 九州

 野党党首の演説は、総じてみれば、政権批判に尽きる。

 希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は16日、九州入りした。

 党発足時の華々しさに比べ、選挙戦に入ると、各種情勢調査で党勢失速が伝わる。福岡・天神では「首相の都合で衆院が解散された。それこそ『安倍1強』政治の象徴だ」と批判の色合いを強めた。

 「女性がもっと活躍できる社会制度に変える。(公約にある)消費税増税の凍結をプラスに変えて、社会設計をやり直します」と力説した。

 ただ、都知事の公務の合間を縫いながらとあって、小池氏の演説は各地で10分程度。「改革保守」が目指すところは見えなかった。

 希望の党への合流を決めた民進党の前原誠司代表は、公示日の10日に九州入りした。佐賀での2カ所の演説では、地方分権の推進なども訴えたが、大半を政権批判に費やした。福岡市の演説では、離党者が相次いだことや、解散を決めた安倍首相への恨み節をひとしきり口にした後、「仲間が好きだ」と絶叫した。

 共産党の志位和夫委員長は18日夜、福岡・博多でマイクを握った。森友・加計問題をやり玉に挙げ、「新しい国会で徹底的にうみを出す。安倍晋三さんが総理の座に居座り続ける。それこそが『国難』なんです」と気勢を上げた。

 北朝鮮への対応について「米朝の軍事衝突を回避するには、憲法9条を持つ日本がイニシアチブを取るべきだ。共産党に外交をやらせてください」と訴えた。

 ただ、共産党は野党の離合の動きの中で、埋没傾向にある。

 党勢を伸ばすのが民進党左派でつくる立憲民主党だ。枝野幸男代表は12日、福岡・天神で演説した。

 「国民の暮らしに寄り添う政治勢力が必要だと考え、安倍政権を批判する受け皿を作ったんです」。政権打倒のみの理由で党を結成したことを、赤裸々に述べた。

 その上で「アベノミクスによって非正規職員が増えて格差が拡大し、日本が分断された」と批判した。

 こちらも政権打倒後に、どんな日本をつくるかは、見えない。

 希望の党から弾かれた経緯もあり、立憲民主党は「判官びいき」にも似た人気を集める。その立憲民主党に対し、民進党出身の無所属候補や、希望の党候補が、選挙後の合流へラブコールを送る。右往左往の末、「元の鞘」に戻る可能性が膨らんできた。

 社民党の吉田忠智党首は14日、九州入り。「戦争に加担しないという憲法9条を生かし、北朝鮮とは対話の平和外交を進めるべきだ」と訴えた。

 日本維新の会は、政権打倒を強調する他の野党とは、一線を画そうとする。

 松井一郎代表(大阪府知事)は、11日、博多駅前に立った。「消費税の増税を決めたときの議員報酬カットの約束を、国会議員は自民党から共産党まで含めて、皆で約束をほごにしている」。府知事としての実績をアピールし、国会議員の歳費削減といった、「身を切る改革」を実行することが先決だと訴えた。