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川崎市長選8日告示 現新三つどもえの公算 福田市政への評価など争点

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川崎市長選8日告示 現新三つどもえの公算 福田市政への評価など争点

 任期満了に伴う川崎市長選は8日、告示される。立候補を表明しているのは、いずれも無所属で、現職の福田紀彦氏(45)▽新人で元市議の吉沢章子氏(53)▽新人で元教諭の市古博一氏(69)=共産推薦-の3人。福田氏の市政運営に対する評価や行財政改革、子育て施策などが主な争点で、投開票は22日。吉沢氏のマニフェストが6日に発表されたことで、いよいよ選挙戦が本格化する。

 ■子育て環境など柱

 現職の福田氏は、小児医療の無料化拡大や中学校給食実現、待機児童の解消促進など1期4年間の実績と、次の4年間の市政について公約する「新マニフェスト」を掲げて再選を目指す。公約は子育て環境改善、安全対策、産業都市計画など10項目を柱としたほか、別項で緑化推進の計画も加えている。

 子育て環境改善は、待機児童対策として認可保育園の受け入れ枠を新規に7千人分確保する。また、保育所新設を誘導するため、容積率の緩和を行う。安全対策は、地域と連携した防災訓練強化や駅のホームドア設置推進をあげている。さらに、新規起業率を高め、臨海部の規制緩和を進めることで、産業都市作りを強化していく計画だ。

 福田氏は「4年間で多くの市民が市をよくしようと思っていることを改めて実感した。市民と対話を重ねていきたい」としている。

 ■「災害死0」目指す

 一方、吉沢氏はこれまで自民党市議団の団長を務めてきたが、市長選出馬のため離団し、同日付で市議も辞職。「どんな政策も議員の立場では時間がかかるため、市長の持つスピードがほしい」との理由から、市長選への出馬を決めた。

 発表したマニフェストでは、市が借金を抱えているためにこのままでは財政が立ちゆかなくなるとの立場から、全事業の棚卸しを行うほか、第三者の専門家によるチェック機関の設置やハコモノからの脱却など、財政健全化を最優先課題にあげた上で、合わせて10の公約を掲げた。

 保育士不足の解消や小規模保育園の充実など「川崎市版子育てモデル」を作るほか、1級建築士としての経験を生かし、防災・減災や環境に配慮したまちづくりを行うための「災害死0(ゼロ)条例」の策定を目指していくことなどを主な柱にすえる。

 ■教育・福祉を充実

 市古氏は政治団体「川崎民主市政をつくる会」の役員。市内の小・中学校で40年以上教諭を務めた実績をもとに、子育てや教育環境の整備を訴えるほか、福祉の充実も目指す。

 子育て・教育分野の政策は、待機児童5千人分を受け入れる認可保育園の増設▽給食費の無償化▽30人程度の少人数学級の実現▽朝鮮学校補助金の復活-などを柱に掲げている。

 福祉分野は、特別養護老人ホームの増設や施設の人材確保の支援を図る。そのほか災害対策や生活の安全対策として、武蔵小杉駅周辺の高層マンション新設抑制や公園の増設、駅ホームドアの設置も主張する。

 現在、市が進めている羽田連絡道路や川崎港コンテナターミナルの拡張計画などの各種事業については、「税金の無駄遣いや不要不急の大規模開発はストップさせる」として中止を公約にしている。

 今夏の横浜市長選のように、「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の是非」といった分かりやすい争点はあまりない。しかし、子育て支援のあり方や財政への認識が各候補で異なっており、厳しい財政状況の中で足元では増え続ける人口と、将来的には人口減少する環境を見ながら、バランスのよい政策を打ち出せるかが問われる選挙となるとみられ、市民がどのように判断するか、注目される。