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壱岐市、“市長並み報酬”でコンサルに森氏採用 地元企業支援に活躍

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壱岐市、“市長並み報酬”でコンサルに森氏採用 地元企業支援に活躍

来訪者の相談に乗る森俊介氏 来訪者の相談に乗る森俊介氏

 長崎県壱岐市で、東京・渋谷から移住した企業コンサルタント、森俊介氏(33)が活躍している。年収1200万円の「市長並みの報酬」をうたった市の公募で選ばれた。市内の小さな四角い建物で連日、「売り上げが減り続けている」などと訴える地元商店主らの声に耳を傾ける。

 壱岐の主要産業は農漁業。若者が仕事を求めて島を出て後継者が不足し、地元企業の減少で就職先が減る悪循環に陥っている。平成27年時点の人口は約2万7千人と、ピーク時の半分ほどに落ち込んだ。

 市は「壱岐しごとサポートセンター」設置を決め、コンサルタントのセンター長を募集した。高報酬もあって、全国から391人が応募した。その中から、読書をテーマにしたバーなどの経営実績がある森氏が選ばれた。

 サポートセンターは8月にオープンした。

 当初、森氏への高額報酬に疑問を持つ人もいた。だが、今では農業に建設業、製造業など幅広い業種の人々に頼られるようになり、相談の予約は約3週間待ちだ。

 壱岐で生まれ育ち、市中心部で10年前から洋食店を営む中山貴史氏(41)は人の往来の減少と、相次ぐ店じまいの影響を懸念し「経営を安定させたい」と相談した。

 地元のブランド牛「壱岐牛」を使った商品の店外販売を企画。センターで示された案を基に、パッケージのデザインを検討している。「具体的デザインまで出してくれるのはありがたい。1人では無理だった」と語った。

 森氏にも発見があった。地元のアスパラガスやきれいなビーチなど、壱岐に来て初めて知った魅力があったという。一方で、情報発信が足りていないと感じる。

 「商品が良くても、知られていなければ、ないのと同じ。離島には、アクセスや得られる情報量でハンディがある。だけど、良い商品を作り、魅力を伝えれば、売り上げは伸びる」

 インターネットを使った壱岐の知名度向上を考える。

 センター長の任期は1年で、実績に応じ契約を更新する。壱岐市によると、全国で10以上の自治体が外部の人材を活用し、無料で地元企業などの相談を受けており、1200万円の年収は相場という。