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「地方公務員アワード2017」受賞 “凄腕行政マン”生駒市から女性2人 奈良

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「地方公務員アワード2017」受賞 “凄腕行政マン”生駒市から女性2人 奈良

 生駒市役所の女性職員2人が、今年始まった地方公務員を顕彰する「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2017」を受賞した。同賞は各地の地方公務員の推薦をもとに審査され、自治体内部の目で見た「凄腕行政マン」が選ばれる。生駒市の2人は「本気で高齢者を元気にする」高齢者対策と「まちのファンを作る」広報・シティプロモーションのスペシャリストとして、それぞれ評価された。

 同賞は地方自治体を応援するネットメディア「Heroes of Local Government」(横浜市)が主催。成果を上げた公務員の手法を市民にも知ってもらうことで、“光の当たりにくい”地方公務員がより働きやすい環境づくりを目指す。今回は全国から推薦された76人から12人が選ばれた。

 生駒市の1人目は看護師や保健師の資格を持つ同市地域包括ケア推進課長、田中明美さん(51)。大学卒業後、都市銀行に勤務していたが、病に倒れ一時意識のなかった田中さんの母親をケアして回復に導いた看護師との出会いを通じ、「これを生涯の仕事にしよう」と退職。看護の専門学校を経て平成7年に入庁し、約20年間高齢者福祉に携わってきた。

 全国に先駆け11年に元気な高齢者が他の高齢者を支える福祉ボランティア講座を立ち上げたり、24年には国のモデル事業として新たな通所型サービスを提案したりするなどし、きめ細やかなケアプランに基づく介護予防や認知症対策が高く評価された。その成果は、同市の介護保険料が県内12市中最も安く押さえられていることからもうかがえる。

 田中さんは「高齢者でも生活の中で役割を持ってもらい、楽しみがあれば、認知や体の機能を維持できる。高齢者が地域の輪を作り、支え合うことで少しでも元気になってもらう手助けをしたい」と話す。

 課長となった今も自ら、高齢者宅に出向き、介護保険の認定調査を実施。「こんなことをする課長はいないんじゃないですか」と笑いながらも、現場主義を貫いている。

 2人目の同市いこまの魅力創造課長補佐、大垣弥生さん(42)も転職組。大学卒業後、近鉄百貨店でプロモーション担当として11年間勤務した後、20年に同市初の社会人採用枠で入庁。「読まれない広報紙をどう読んでもらうか」を使命に広報広聴課で働き、月2回発行する市広報紙の改善を図った。

 行政情報を列挙するだけだった紙面を、住民活動を取り上げた企画記事中心に変革。写真やレイアウトもおしゃれなものにこだわった。自身も取材に赴き、小さな記事でも大きな反響が生まれることに手応えを感じ、市民から「広報紙が変わって、街の雰囲気が良くなった」との感想が寄せられたこともあったという。

 28年4月からは、新設された「いこまの魅力創造課」に異動。大阪のベッドタウンで県外就業率全国2位の住宅都市であり、住民が市に愛着が持ちづらい環境の中でも、「市のファン作り」に努め、市のフェイスブック「まんてんいこま」では毎年選ばれた市民が街の情報を投稿するシステムを構築するなど、「街の人の共感を得るプロモーション」を展開してきた。

 大垣さんについて同賞の推薦文では「日本一負けず嫌いな公務員」と評されており、「地方公務員はロールモデルを作って街を良くし、それが全国にも広がる魅力がある。他都市に負けたくない。自分が先進事例になりたい」ときっぱり。「住民のニーズを聞き取り、いかに事業化していけるかが課題」と力を込める。