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34年の避難解除目指す 双葉町の復興拠点、整備計画を初認定 福島

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34年の避難解除目指す 双葉町の復興拠点、整備計画を初認定 福島

 ■全住民の帰還、見通せず 町面積1割、線引きで分断も

 政府は、東京電力福島第1原発事故で立ち入りが制限されている双葉町の帰還困難区域に住民が再び住めるようにするため、町が申請していた「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の整備計画を認定した。復興拠点の認定は初めて。国費で除染やインフラ整備を進め、平成34年春ごろまでに避難指示解除を目指す。

 町は8月、県内の市町村で初めて国に計画を申請した。町の面積の1割程度に当たる約555ヘクタールを範囲とし、31年度内のJR常磐線全線開通に合わせ、まずJR双葉駅周辺を優先的に除染。国道6号などの幹線道路沿いの整備を進め、住宅団地や商業施設も順次再建していく。避難指示解除から5年後の拠点内の人口を、2千人にする目標だ。

 除染とともに道路などのインフラ整備を効率的に進め、地元の意見も反映させるため、双葉町と県、国による推進会議を設置する。副町長や県、復興庁の担当者らが参加して情報共有を図るのが目的で、10月にも初会合を開く方針だ。

 双葉町は福島第1原発が立地。面積の96%が帰還困難区域で、全町避難が続いている。福島県内の帰還困難区域は、双葉町を含む7市町村に残っており、ほかの自治体でも復興拠点の検討が進んでいる。

 吉野正芳復興相は「長い年月がかかっても避難指示を解除し、新しい町をつくっていく第一歩だ」と述べた。

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 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く双葉町の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)整備計画が、国に初認定された。ただし拠点となるのは町面積の約1割。拠点外では住民帰還は見通せず、町全体の復興に向けた道は依然厳しい。

 今回拠点に含まれたのは、町内17行政区のうち8行政区。拠点内では除染やインフラ整備を集中的に進め、平成34年までに避難解除を目指すが、拠点の線引きで分断された行政区もある。

 「同じ行政区の中で、除染が手付かずの帰還困難区域と、除染が完了した復興拠点ができる。どうやって区を運営すればよいのか」。今年8月の行政区長会で、町側が示した拠点の計画案に、三字行政区の千吉良高志区長は不安をぶつけた。

 同区で拠点に含まれたのは一部だけで「住民間で不公平感が生まれないか心配だ」と話す。政府は最終的に帰還困難区域全域の避難指示解除を目指すが、拠点外の解除のめどは立っていない。

 町はこうした状況を踏まえ、拠点内に整備する住宅団地に拠点外の住民も受け入れる構想を掲げるが、千吉良さんは「ふるさとに帰るという意味が、自宅に戻ることなのか、町に戻ることなのか、住民によって異なる」と指摘。自身も群馬県伊勢崎市に避難中で「住民の目標がばらばらでは行政区の維持が難しい。ニーズをくみ取って町の再生を進めてほしい」と注文する。

 町の担当者は「まずは戻りたい人が戻れる環境づくりを急ぐ。同時に、今後拠点をどう広げていくか、長期的な帰還政策も示していかなくてはならない」と話した。