産経ニュース

「お一人さま」市場狙え! カラオケ、焼き肉…九州・山口でサービス拡充

地方 地方

記事詳細

更新


「お一人さま」市場狙え! カラオケ、焼き肉…九州・山口でサービス拡充

個別席が導入された焼き肉店で食事する男性 個別席が導入された焼き肉店で食事する男性

 1人でも利用しやすい店舗や専用コーナーなど、「お一人さま」市場を狙ったサービスが、九州・山口でも拡充している。当初は戸惑いもあった「1人カラオケ」は、若者らの間で定着したほか、家族連れのイメージが強い焼き肉店で個別席を導入する例も登場した。

 福岡市博多区の幹線道路沿い。外食チェーンのウエスト(同市)は、運営する焼き肉店に個別席を設けた。他の客と目を合わせなくて済むことが、人気を呼んだ。3月の導入以降、ランチタイムはサラリーマンに加え、女性の利用も増加したという。

 同社の萩正春総合企画室長は「1人で食べたい人に、魅力を感じてもらおうと導入を決めた」と話した。初めて利用した男性会社員(33)は「考え込みたい時や集中して食べたい時に良い」と満足した様子で語った。同社は将来構想として、全席が個別席の店舗も計画するという。

 ヒトカラ(1人カラオケ)も人気を広げる。

 コシダカ(東京)は平成23年以降、大阪市や仙台市、川崎市など都市部で1人カラオケの専門店「ワンカラ」を展開する。高精度のマイクや自分の声が聞けるヘッドホンを用意し、歌に没頭できるよう工夫する。「リピート率が高く、徐々に売上高が拡大している」(広報)という。

 ヒトカラは、九州にも拡大する。ヒトカラ専用ルームを用意するカラオケ店も多い。

 こうした「お一人さま」サービスを導入した先駆者が九州にある。豚骨ラーメン店を展開する一蘭(福岡市)だ。間仕切りを置いた1人客の専用スペースを設けている。

 席の左右の間仕切りに加え、席正面のすだれは商品を提供するとき以外は、下ろされたまま。平成に入って、「味集中カウンター」の名称で導入された。

 機械で食券を買うため、店員と会話したり顔を合わせたりしなくてもラーメンが食べられる。

 広報担当者は「周囲の視線を気にせずにラーメンを味わえるよう工夫した。特に女性からの支持が強い」と語った。米国など海外店舗にも、このカウンターを設置した。

 吉冨学社長が学生時代、弁当を隠しながら食べる女子生徒を見て、着想したという。現在も来店者のうち女性が4割近くを占め、業績を牽引(けんいん)する。

 消費者行動に詳しいニッセイ基礎研究所の井上智紀准主任研究員は「晩婚化などで中高年でも単身者が増えており、お一人さまのマーケットは拡大している。競争が激しい飲食業界などでは顧客層を広げる必要があり、今後も1人客を歓迎する傾向は続くだろう」と分析した。