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酪農家×神奈川県、地産生乳ブランド化 生産量全国2位も…原料は県外産

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酪農家×神奈川県、地産生乳ブランド化 生産量全国2位も…原料は県外産

 県内の酪農・乳業関係団体と県が、県内で生産された生乳のみを使った牛乳や乳製品を認証する制度を立ち上げた。県産生乳のブランド化を進めることで県内酪農業の活性化を図ることが狙い。大手メーカーの牛乳工場が多いことから、全国2位の牛乳生産量を誇るが、実際は県外産の生乳に依存しているのが現状。「新鮮な県産生乳」をアピールし、存在感を高めたい考えだ。(川上朝栄)

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 牛乳、アイスクリーム、チーズ、かりんとう…。先月末に県庁で開催された試食会では、県産生乳のみを使った製品がテーブル上にずらりと並べられた。

 ◆認証制度スタート

 味わった黒岩祐治知事は「牛乳でも微妙に味が違う」と感想を述べ、「新鮮な生乳を使ったものはやはりおいしいね」と笑顔を見せた。県や県内酪農・乳業団体で構成する「かながわ酪農活性化対策委員会」の長谷川行夫会長は「生乳は鮮度が命。ぜひ多くの人々に味わってもらいたい」とアピールした。

 同委員会は3月、「かながわ県産生乳100%認証制度」をスタート。7月から認証マーク「カナミルくん」がついた商品が発売されており、現在では県内8事業者の19製品が認証されている。同様の制度は岡山県に次いで2例目とされるが、背景には本県内の酪農家が置かれた厳しい現状がある。

 県畜産課によると、県内の酪農家は県央や湘南地域を中心に平成27年時点で249戸を数えるが、その5年前よりは75戸も減っている。飼料価格の高止まりに加え、土地が狭く、規模拡大が難しいため、経営効率を高めることができないことが要因だ。認証制度を活用することで、「県産ブランドとしてアピールし、反転攻勢をかけたい」(同委員会)と意気込む。

 ◆8つの工場が稼働

 県内には国内最大規模の雪印メグミルク海老名工場(海老名市)や明治神奈川工場(茅ケ崎市)など牛乳工場が8つあり、約19万トン(27年)の生産量は北海道に次いで全国2位の規模を誇る。ただし、県内酪農家が減少するなか、多くを東北など県外の生乳に依存しているため、県産の存在感が薄いのが現状だ。

 県畜産課では「消費者の間では“地産地消”が浸透しており、県産生乳を使った乳製品や牛乳が求められている」としており、認証制度を、学校給食での採用や地元スーパーでの販路拡大などにも役立てたい考えだ。

 同委員会では県内酪農業の理解促進と消費拡大に向け、9日に「かながわミルクフェスティバル」を日本丸メモリアルパーク(横浜市西区)で開催。認証製品の県産牛乳を試飲(数量限定)できるほか、模擬搾乳体験などを実施するとともに、認証製品を生産する3事業者が出店する。入場無料。午前11時~午後3時。