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玄海原発で防災訓練 新基準対応の設備稼働を確認

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玄海原発で防災訓練 新基準対応の設備稼働を確認

 政府は3日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の事故を想定した原子力総合防災訓練を始めた。来年1月にも見込まれる再稼働を控え、事故時対応や住民の避難手順、関係機関との連携などを、4日までの日程で確認する。東京電力福島第1原発の事故後、国による玄海地域での訓練は初めて。安倍晋三首相は、北朝鮮の核実験を受けて参加を取りやめた。 (中村雅和)

 訓練は、佐賀県北部で最大震度7の地震が発生し、稼働中の玄海原発4号機で原子炉冷却材が漏れ出したとの想定で実施された。

 九電の原発運転員が、手動で4号機を停止。原子炉に非常用装置で注水を始めた。だが、ディーゼル発電機の故障で複数系統のポンプが機能しないとして、移動式大容量ポンプ車を出動させた。

 ポンプ車は、福島の事故を教訓にした新規制基準に対応し、配備した。玄海では3・4号機あわせて4台ある。1時間あたり最大1320トンの水を送り出す能力を持つ。作業員は敷地内の海水取水口で、ポンプ車のホースを展開する手順などを訓練した。

 また、負傷者の救助訓練もあった。九電は玄海原発での訓練に200人態勢で臨んだ。

 周辺自治体も訓練に参加した。

 佐賀県多久市には、玄海町の特別養護老人ホームからの避難者が、自衛隊のヘリコプターで到着。寝たきりの入居者役を務めた職員、山口博子さん(43)は「不安はなかった」と話した。

 訓練では、玄海原発と首相官邸の円滑な情報伝達も確認した。ただ、午後0時半ごろ、北朝鮮が核実験を強行した影響で、首相官邸での訓練が中止となった。 安倍首相は九電から玄海4号機が全電源を喪失したとの通報を受け、午後3時ごろ「原子力緊急事態」を宣言する予定だったが、北朝鮮対応を優先するため、中川雅治原子力防災担当相が代行した。

 4日は大量の放射性物質が放出されたとの想定で、屋内退避や避難の訓練をする。2日間で住民や関係機関職員ら計約6500人が参加する。