産経ニュース

熊本なら清正公、武蔵、「ワンピース」…君のヒーローは誰? くまもと文学・歴史館で企画展

地方 地方

記事詳細

更新


熊本なら清正公、武蔵、「ワンピース」…君のヒーローは誰? くまもと文学・歴史館で企画展

少年雑誌に登場した漫画のキャラクターなどが紹介されている企画展 少年雑誌に登場した漫画のキャラクターなどが紹介されている企画展

 ヒーローの変遷をたどる企画展「少年雑誌に見る時代のヒーローたち」が、熊本市中央区の「くまもと文学・歴史館」で開かれている。明治時代から現代まで、少年をとりこにしてきたヒーロー観を通じて、時代の雰囲気を感じ取れる展示となっている。(南九州支局 谷田智恒)

 お堅いイメージの公共施設に、仮面ライダーのマスクや、昭和40年代に漫画とアニメで人気を博した「巨人の星」の原稿や原画などが並ぶ。

 同館は昨年夏、県内の菊陽町図書館が所蔵する少女雑誌と付録を借り、少女雑誌をテーマにした企画展を開いた。その際、「ぜひ少年ものも取り上げてほしい」との要望が寄せられた。

 「熊本ゆかりのヒーローは多い。歴史的には実在した加藤清正や宮本武蔵、天草四郎もヒーローといえるでしょう。今なら熊本県出身の漫画家、尾田栄一郎氏が手がける人気漫画・アニメ『ワンピース』にも人気のキャラクターがいる。以前から展示会のテーマになると考えていた」

 同館学芸調査課参事の鶴本市朗氏(50)は、こう語った。

 言葉通り、展示するヒーローの定義は多岐にわたる。

 会場は3部構成になっている。明治時代は「末(すえ)は博士か大臣か」▽大正~昭和は「憧れの偉人たち」▽昭和~平成は「マンガのヒーローたち」-。明治時代の少年雑誌をみると、当時の大臣や軍人が巻頭グラビアなどで登場する。大正~昭和初期は歴史上の人物が数多く取り上げられ、昭和30年代以降は漫画が主流となっていく。

 鶴本氏は「明治時代は勉強して立身出世を果たし、国に尽くすことが奨励されたのだろう。社会の成熟とともに、歴史上の人物の挿絵を使った絵物語が主流となり、漫画につながる。戦後はスポーツ選手やアニメ、特撮の変身ヒーローがあこがれの対象となっていく。この変化は興味深い」と話した。

 展示物のセレクトには熊本との関連性も重視した。

 会場には雑誌・図書資料に加え、元プロ野球巨人軍監督の川上哲治氏(故人)愛用の野球用品も並ぶ。川上氏は、熊本県人吉市出身のヒーローだ。

 また、「巨人の星」の原作者、梶原一騎氏(故人)は祖父方のルーツが熊本県高森町にある。作品を手がけた漫画家、川崎のぼる氏(76)は同県菊陽町在住。だからだろうか、主人公・星飛雄馬のライバル、左門豊作は、熊本農林高校(架空の高校)出身だ。

 その川崎氏の協力で、貴重な原稿や原画が展示されている。

 会場の横には、1970年代以後の少年漫画雑誌が読めるコーナーも設けた。熊本市のNPO法人「熊本マンガミュージアムプロジェクト」(橋本博代表)が所蔵するコレクションのうち約1千冊の漫画雑誌が読み放題だ。

 鶴本氏は「雑誌で読むのは単行本とは趣が異なる。来館者が、それぞれの子供時代を思い出しながら、少年雑誌の魅力を感じてほしい」と語った。展示は11日まで。入場無料。