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太りにくい体質に道筋 群大グループが脂肪細胞との関連解明

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太りにくい体質に道筋 群大グループが脂肪細胞との関連解明

 群馬大学は、体内で亜鉛を運ぶ特定タンパク質が、エネルギーを消費する役割を持つ一種の脂肪細胞の出現にブレーキをかけていることを、世界で初めて発見した。この特定タンパク質を阻害すれば食べても太りにくい体質に改善することや、肥満症の治療薬開発に期待が高まるという。順天堂大や徳島文理大などとの共同研究で、論文は31日、米科学誌「プロスジェネティクス」のオンライン版に掲載される。

 このタンパク質は、細胞内で亜鉛を輸送する「ZIP13」。群大で分子糖代謝制御分野を研究する藤谷与士夫教授と福中彩子助教らは、通常の野生マウスとZIP13を欠損させたマウスで皮下脂肪組織を比べたところ、野生マウスでは、脂肪細胞のうち、エネルギーをためる「白色脂肪細胞」が多かったのに対し、欠損マウスでは、エネルギーを消費する「ベージュ脂肪細胞」が多く見られた。

 高脂肪食を与えても欠損マウスは野生マウスよりもエネルギー消費量が多く、体重が増加しにくかった。また、ZIP13が、ベージュ脂肪細胞を出現させないよう作用していることもわかったという。

 一連の現象の詳細な仕組みは不明だが、今回ZIP13とベージュ脂肪細胞との関連性がわかったことで、藤谷教授は「ZIP13を阻害する薬の開発により、肥満症や肥満からくる糖尿病の治療につながる」としている。また、食べても太りにくい体質の実現にも期待がもて、藤谷教授は「ZIP13を欠損させることで、人間にどのような弊害が生じるのかも調べていきたい」と話している。