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熊本城天守閣のしゃちほこ復元 瓦職人・藤本さん、3代でつなぐ

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熊本城天守閣のしゃちほこ復元 瓦職人・藤本さん、3代でつなぐ

焼き上がった熊本城小天守の瓦製しゃちほこを手にする藤本康祐さん(右)と修悟さん親子 焼き上がった熊本城小天守の瓦製しゃちほこを手にする藤本康祐さん(右)と修悟さん親子

 熊本地震で破損した熊本城(熊本市)天守閣のしゃちほこを復元する作業が進んでいる。手掛けるのは、熊本県宇城市の瓦職人、藤本康祐さん(57)と、その長男の修悟さん(29)。康祐さんの父、勝巳さん(故人)は、地震で壊れたしゃちほこを制作した。職人3代でつなぐ名城の新たな装飾は、近く完成する。

 熊本城には大天守と小天守の最上部に2体ずつ、計4体の瓦製しゃちほこが据えられていた。平成20年の築城400年に合わせ、勝巳さんらが江戸時代中期のしゃちほこを再現して作った。だが昨年4月、地震の揺れで落下するなどして壊れた。

 熊本市は昨秋、康祐さんに新たなしゃちほこの制作を依頼した。康祐さんは、後継ぎの修悟さんとともに取り組んできた。

 デザインは先代を踏襲した。しゃちほこ作りには、熟練の技が必要だ。粘土は一気に積み上げると、重みでゆがみが生じる。少しずつ重ねるしかない。乾燥による縮みも計算に入れる必要がある。

 今年3月の制作開始から約4カ月半たった7月下旬、4体の釜入れにこぎつけた。焼き上がったしゃちほこは、ぎょろりとした目やイチョウの葉のような尾びれといった特徴のある造形が美しい。納得のできばえになった。

 康祐さんは「父も『良かった』と言ってくれるかな」と照れくさそうな表情を浮かべた。修悟さんも「プレッシャーはあるが、やりがいがある」と汗を拭った。

 大天守用は高さ約120センチ、重さ約100キロで小天守用は高さ約90センチ、重さ約70キロ。市は、平成31年を目指す天守閣の復旧に先立っての展示も検討する。

 康祐さんは「再び震度7の地震があっても耐えられるものにしたい」と語った。親子は、強い震動に耐えられるよう、しゃちほこを支える土台を、より強固にする知恵も絞っている。