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奈良県作成「生き生き安心ノート」 認知症患者の思い共有を 施設入所希望など意思表示

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奈良県作成「生き生き安心ノート」 認知症患者の思い共有を 施設入所希望など意思表示

 県は認知症の人の思いや情報を家族や支援者間で共有するための「まほろば生き生き安心ノート」を作成、配布を始めた。連絡先や薬の内容などに加え、認知症患者本人がやりたいことや、重症化したときに望む治療などを書き込めるのが特徴で、「本人目線」の支援につながることが期待される。

 ノートは認知症の診断を受け、病気であることを本人と家族がともに受け入れている患者が配布対象。住所や連絡先、持病や飲んでいる薬について、家族や医師、ケアマネジャーらがそれぞれ書き込むページを用意。病院や介護サービス事業所を利用する際にノートを提示することで、支援者間で正しい情報共有が可能になる。

 ノートのひな型は昨年、国立長寿医療研究センター(愛知県)が作成し、全国での利用を推進。県でも導入が決まったが、ひな型は「医療や介護関係者間の情報共有が中心で、支援者目線の部分が多かった」(県担当者)という。そこで、県では患者本人の意思を明文化する「私の思いや希望」というページを独自に作成。旅行の計画や日課など、「新たにしたいことや継続して行いたいこと」を自由に書くスペースや、認知症が進行して意思表示が難しくなった場合の施設入所の希望を訪ねる欄などを追加した。

 県の平成27年度調査によると、県内には約6万1千人の認知症高齢者がいると推計される。県担当者は「患者本人がどうありたいか、どう生きたいかが大切。認知症が進行する前にノートに思いを書き込み、家族や支援者は本人の希望になるべく添うようなケアプランを立ててほしい」と話した。

 生き生き安心ノートは県内市町村の担当課や地域包括支援センター、認知症疾患医療センターで配布している。問い合わせは県地域包括ケア推進室(電)0742・27・8039。