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フィルムコミッション、広がる活動 撮影実績3年で倍増 「聖地巡礼」に期待も 長野

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フィルムコミッション、広がる活動 撮影実績3年で倍増 「聖地巡礼」に期待も 長野

 映画やドラマの撮影場所の誘致や撮影支援をする非営利団体「フィルムコミッション」(FC)の活動が近年、広がりを見せている。県内では8団体が活動しており、FCによる撮影支援の実績は過去3年で、2倍近くに増えたという。ファンが映画やドラマの舞台を訪れる「聖地巡礼」がブームとなる中、ロケ地となった地元は観光振興に大きな期待を寄せている。 (三宅真太郎)

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 ◆増えるリピーター

 7月1日から全国公開されている嵐の大野智さん主演の歴史アクション映画「忍びの国」。架空の伊賀忍者、無門(大野さん)の活躍を描く時代劇だ。合戦シーンの多くは、昨年8月下旬~9月中旬の約3週間、富士見町や立科町、安曇野市で撮影された。

 撮影は、諏訪圏FC(事務局・諏訪市)が誘致した。撮影期間中は、地元住民有志が撮影隊に飲み物を配ったり、地面の枝や石を取り除いたりしたという。

 同FCの宮坂洋介さんは「単に撮影場所を提供するだけではなく、地元を挙げて撮影に協力することが大切なんです」と話す。

 県内のFCと自治体、観光協会などでつくる「信州フィルムコミッションネットワーク」(SFN)によると、県内のFCによる映画やドラマなどのロケ支援実績は、平成26年度は347件だったが、28年度には661件(撮影継続中の97件を含む)とほぼ倍増した。

 SFNは、増加理由について「信州をロケ地に選択する監督や制作側のリピーターが増えてきているのではないか」と分析する。

 作品の舞台として知られるようになれば、「聖地巡礼」に訪れる観光客は増加する。新海誠監督=小海町出身=の大ヒット映画「君の名は。」の公開後、作品に登場する湖のモデルが諏訪湖ではないか-とインターネットで話題になり、県内外から訪れる人が相次いだ。

 松本市では、地元が舞台の青春漫画「orange(オレンジ)」の実写化映画が27年に公開され、昨年11月にはテレビアニメも映画化された。松本観光コンベンション協会は、漫画の舞台や映画のロケ地を紹介するマップを作り、市内の観光案内所などで配布する。

 ◆課題は人手不足

 一方、支援実績が増える中、FCの慢性的な人手不足が課題となっている。全国のFCなどでつくる「ジャパンフィルムコミッション」(JFC)が会員の90団体に行ったアンケートによると、90団体のうち46団体で専任職員はゼロだった。観光業務などとの兼任で従事しているケースが多く、専任職員がいても1~2人の場合がほとんどだという。

 JFC事務局次長の関根留理子さんは「地元の住民をはじめ、あらゆる組織とネットワークを構築することが重要」と指摘。「地域を挙げて撮影の誘致や支援ができる態勢をつくってほしい」と呼びかけている。