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【夢を追う】サッカー指導者・小嶺忠敏さん(1)日本一のチームのつくり方

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【夢を追う】
サッカー指導者・小嶺忠敏さん(1)日本一のチームのつくり方

現在、長崎総合科学大学の教授を務める小嶺忠敏さん 現在、長崎総合科学大学の教授を務める小嶺忠敏さん

 九州で高校サッカーといえば、黄と青の縦じまユニホームを思い浮かべる人は多いだろう。長崎県立国見高校サッカー部は昭和62年から平成15年まで、全国高校選手権大会を計6回制覇した。無名のサッカー部を、強豪校に育て上げたのが小嶺忠敏さん(72)だった。今も「日本一のチームをつくる」と夢を追い、指導者としてグラウンドに立つ。

 《昭和59年、国見高校に赴任した》

 国見高校は島原半島の北部にあります。

 当初、サッカー部は強豪校なんてレベルではありません。部員に「走ってこい」といったら、なんと歩くんです。

 30人いた部員は、「小嶺は鍛えるから、怖い」と次々と辞めていきました。それでも少しずつ、ひたむきさが出てきました。

 練習はいつも午後4時が始まりでした。私は10分前にはグラウンドに立ちます。こちらが端然としていれば、生徒もピシッとします。

 《就任翌年の昭和60年、早くも県の新人大会で優勝し、続く九州大会も制した》

 公立高校は私学のように、特待生を全国からスカウトするのではありません。限界があります。

 監督は料理人と同じです。目の前にある「材料」をいかに、うまく料理できるかが、問われます。

 サッカーは不思議です。性格が横着なやつほど、「点取り屋」だったりします。「えっ、こんなところでこんな仕事をするのか」。そんな意外性を秘めています。

 逆に守備は、きちょうめんな性格の方が良い。

 各自の持ち味を把握するのに毎日、グラウンドに出ました。選手仲間やコーチからも話を聞きます。部員の親と話をして、参考にすることもあります。

 どこに「個性」があるかを見いだす。それが、監督の役目です。

 特に1年生は「日替わり定食」のように、くるくると変わります。コーチから「あの選手はすごいです」と報告が上がっても、3カ月後にはさっぱりというケースもあります。

 だから、若いコーチには言うんです。

 「メンバーを決めるのは結婚と同じだ。ずっと一緒に住んでいると、欠点が見えてくる。新入生は最初、良いところばかりに目が行くが、そのうちに、気が弱いといった欠点が目立つようになる。事前に個々の持ち味を把握しなければならないんだ」

 とはいえ、私もこれがちゃんとできるようになるまで、10年はかかりました。

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