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九州の農家20万割れ 企業参入など増加で耕地の集約化進む

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九州の農家20万割れ 企業参入など増加で耕地の集約化進む

 九州農政局が発表した平成28年度の「九州食料・農業・農村情勢報告」(九州農業白書)によると、九州の農家や営農法人などの担い手が28年2月時点で計19万7千となり、20万の大台を割り込んだ。半面、経営の大規模化が進み、一営農体当たりの平均耕地面積は2ヘクタールを突破した。企業など法人の増加が背景にある。

 営農体の数は27年2月の前回調査から約1万400減少した。農政局は、高齢農家の離農が増えたためと分析する。専業農家の数は、兼業農家への移行も含め前年比9900戸減の7万8500戸と大きく減少した。

 農林水産省は、就農に備えた研修の期間中や、就農直後の所得を確保する給付金を用意して新規就農者の拡大に努める。だが、九州の27年新規就農者は1367人で、前年から6・7%減った。就農者の確保が、引き続き重い課題となっている。

 一方、農地集約や大規模化で効率を上げようと、集落営農や企業参入といった組織経営が増加した。28年2月時点での平均耕地面積は、前年から11・6%増の2・11ヘクタールとなった。

 21年の農地法改正で要件を満たせば一般企業やNPOも農地を借りることが可能になって以降、九州でも参入例が増える。28年6月時点で234法人となった。白書は「地域の農家や行政と連携し新たな法人を設立するなど、多様な形態がみられる」とした。熊本県天草市で22年にオリーブ園を開設し、周辺農家にも苗を提供するなど地域活性化に寄与する九電工の例を紹介した。

 このほか、熊本地震による農林水産業の被害額を計1793億円(29年4月10日時点)と集計。九州からの28年の農林水産物・食品の輸出額は前年から減り、相手先の規制への対応や産地間連携強化が課題と指摘した。