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【前進ホーリーホック 水戸からJ1へ】(下)「スタンド増設を」勝ち続けPR

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【前進ホーリーホック 水戸からJ1へ】
(下)「スタンド増設を」勝ち続けPR

 ■J1ライセンス基準満たさず

 J1昇格プレーオフ進出圏内の6位以上を目指し、7位(7日現在)と奮闘するJ2水戸ホーリーホック。だが、水戸はホームスタジアムの収容人数が、昇格に必要な「J1ライセンス」交付の基準を満たしておらず、目標の「6位以上」でもプレーオフ出場権がない。スタジアムを所有する水戸市は平成31年の茨城国体後の改修を検討しているが、サポーターは一日も早い着工を願っている。サポーターの期待を背に、選手たちも「多くの人を動かすため勝ち続ける」と闘志をたぎらせる。

 Jリーグのライセンス制度は、「サッカーの施設的水準の向上」や「クラブの経営安定化」などを目的に、25年から採用されている。ライセンス取得には施設基準や財務基準などを満たす必要がある。水戸は本拠地のケーズデンキスタジアム水戸(同市小吹町)の収容人数(1万2千人)が、J1ライセンス交付基準の「1万5千人以上」を満たしておらず、J1昇格の資格を持たない。

 同市は、25年からスタンド増設に向けて水戸などと協議を重ねてきた。当初は昨年の工事完了を目標にしていたが、増設に必要な私有地の買収交渉が難航するなど計画に遅れが生じ、設計段階にも入れていない。市の担当者も「今のペースだと着工が茨城国体以降、完成は早くとも東京五輪以降になる」との見通しを示す。

 チーム創設以来、水戸を見守ってきた水戸市五軒町の飲食店「マロン」店主、大塚巌さんは「水戸は選手の入れ替わりも多く、毎年上位を争えるとはかぎらない。なんとか今年、J1にチャレンジさせてあげたかった」と肩を落とす。

 ただ、水戸の躍進への期待はふくらむ。大塚さんは「J2最強チームを目指すのもおもしろい。いつでもJ1に上がれるくらい力をつけてほしい」とも話す。そして「多くの人に『スタンドが狭い』と思わせるくらいの熱気も重要だ。署名を集めてもいい。できることはまだまだある」とサポーターが動く展開も見据える。

 選手たちは、宿願の「J1昇格」を見通せない中でも、懸命に戦っている。

 ベテランGK本間幸司選手は「モチベーションを保つのが厳しいときもある」と胸の内を明かす。だが、「結果を出して、多くの人を動かせるのは自分たちだけだ」と力を込め、こう語った。

 「20年近く水戸でプレーしてきて、夢はずっと変わらない。このチームでJ1に行きたい」

 水戸の今季のスローガンは「前進」。上位進出やJ1ライセンス取得に向けて、サポーターや市とともに前に進む水戸の姿を見守っていきたい。(丸山将)