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埼玉の自治体でドローン導入の動き拡大 災害や救難への有用認識高まる

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埼玉の自治体でドローン導入の動き拡大 災害や救難への有用認識高まる

 県内の自治体で災害時に小型無人機「ドローン」を活用する動きが広がっている。管轄エリアに山間部や川が多い秩父消防本部は6月に水難救助訓練を実施。消防庁からドローンの貸与を受けたさいたま市消防局では、市内の水難救助のほか、2月に起きた通販会社「アスクル」の三芳町の倉庫火災などの運用事例が出始めている。(黄金崎元)

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 秩父消防本部は6月27日、長瀞町の荒川の岩畳で、ドローンで浮輪を搬送して溺れている人を救助する訓練を初めて実施した。ゲリラ豪雨で川が氾濫する事故が毎年増えており、同消防本部は夏休み前にドローンによる救助を想定した訓練を行った。

 秩父市は昨年10月にドローン製造の「エンルート」(ふじみ野市)と災害支援などの協定を締結した。山火事や土砂災害の状況確認、物資輸送が必要な場合に同社に支援してもらう。

 エンルートは同消防本部に2台のドローンを提供しており、8月から本格的に運用を開始する。同消防本部の関河幹男警防課長は「さまざまな災害の場面で活用したい」と話す。

 一方、さいたま市消防局は昨年10月からドローンの運用を始めた。昨年3月に消防庁から千葉市とともにカメラと小型複合ガス検知器を搭載したドローンの貸与を受けた。

 既に市内で2件の運用実績があるが、今年2月には県内応援で三芳町のアスクルの倉庫火災にも出動。倉庫の敷地が大きいのに加え、高さが約20メートルもあり、建物全体の燃焼状態の把握が難しいため、上空からドローンで撮影した。

 また、国の要請を受け、3月には栃木県那須町で登山講習中に雪崩に巻き込まれ、高校生らが死亡した事故にも出動し上空から不明者の捜索などにあたった。

 今後、同市消防局はあらゆる災害を想定した訓練を行っていくという。「実績を増やして、ノウハウを蓄積し、活用の精度を高めたい」(同市消防局警防課)としている。

 このほかの自治体では、川口市消防局も昨年12月から運用を開始し、荒川の水難事故や火災での活用を想定している。深谷市も今年5月に測量設計会社「技術開発コンサルタント」(同市)と協定を締結し、河川が氾濫した場合にドローンを出動してもらう。

 さいたま市消防局が支援したアスクル倉庫火災や那須町の雪崩事故の事例で、ドローンの活用の有効性が十分に証明されている。政府も成長戦略にドローンの活用を掲げており、県内のほかの自治体でも導入の動きが広がる可能性がある。