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【いばらき再発見】水戸市立西部図書館 本の回廊に迷い込んで

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【いばらき再発見】
水戸市立西部図書館 本の回廊に迷い込んで

 今年は空梅雨が続くが、雨が降った日に訪れてほしい場所が水戸市堀町にある市立西部図書館だ。

 中世ヨーロッパを思わせる宮殿風の建物の中に入ると、天井高約13メートルの広々とした吹き抜けが出迎え、ドーム状の屋根からは木漏れ日のように明かりが差し込む。その中心から同心円状に曲線の本棚が配置され、約11万冊の蔵書に利用者は包まれる。

 2階の通路にはソファ席も設置され、座ると視界に入るのは壁一面の本のみ。本好きにはたまらない空間になっている。

 この個性的な設計は建築家の新居千秋氏が担当し、平成4年に開館。翌5年には建築界の芥川賞ともいわれる「吉田五十八(いそや)賞」を受賞した。

 当時の水戸市長、佐川一信氏は読書家として知られ、読書文化を根付かせようと図書館の整備に尽力し、この個性的な図書館が生まれた。佐川氏の亡き後、蔵書の一部が市に寄贈され、同館の一角で約4700冊が閲覧できるようになっている。

 館外へ出ると、同館を取り囲むように1周約400メートルの屋根付きの回廊があり、ウオーキングする市民の姿も。他にもゲートボール場やテニスコートもあり、市民の憩いの場として定着している。

 全国的にも珍しい円形の図書館だが、矢吹幸弘館長(64)は「円形の本棚は単位面積当たりの収蔵数が少なくなるなど、実は管理する側は大変なんです」と裏側を明かす。「それはこちらの事情なので、利用者にはいい雰囲気の中でゆっくりと読書を楽しんでほしい」と笑顔で話してくれた。

 空模様が優れない日は、本の回廊に迷い込んでみてはいかがだろうか。

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 写真報道局の写真記者から故郷・茨城に“Uターン”赴任して1年余り。魅力度最下位が「定位置」ともいわれる茨城の隠れた魅力を発掘し、随時紹介していきます。

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 ■アクセス

 常磐自動車道水戸インターチェンジから車で約10分。JR赤塚駅から徒歩約25分。水戸市堀町2311の1。開館時間は午前9時半~午後8時。月曜、毎月第1木曜休館。館内を撮影する際は受付カウンターで申し込みが必要。