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大岩戸、地元山形にささげる最年長幕下V 父「もう一度化粧まわしを」

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大岩戸、地元山形にささげる最年長幕下V 父「もう一度化粧まわしを」

 白鵬が38度目の優勝を飾った大相撲夏場所で、横綱に負けない存在感を放ったのが県出身の36歳、西幕下34枚目の大岩戸(八角部屋、本名・上林義之)だ。7戦全勝で戦後の最年長幕下優勝の記録を塗り替えた。元学生横綱で幕内経験もあるベテラン力士は「地元で応援してくれる人がいる」と奮闘した。地元からは「さらに上を」と関取への再昇進に期待する声が挙がっている。(柏崎幸三)

 ◆自慢の突き、押し

 夏場所13日目、大岩戸は押し倒しで岩崎(現翔猿)との全勝対決を制し、優勝を決めた。自慢の突き、押しで攻め続けた若々しい取組に師匠の八角理事長(元横綱北勝海)も「最高の相撲だった。腐らずにやってきたからね」と最大級の賛辞を贈った。

 大岩戸は鶴岡市出身。小4で相撲を始め、鶴岡第一中では柔道部に所属しながら地元の相撲道場に通い、県立加茂水産高でも相撲部に所属。近畿大4年時には全国学生相撲選手権大会に優勝、学生横綱となった。

 初土俵は平成16年春場所。しばらく十両と幕下を行き来したが、25年春場所で新入幕を果たし、自己最高位の東前頭16枚目に昇進。だが、幕内在位は1場所に終わり、26年初場所以降は幕下に甘んじていた。

 ◆腰痛に悩まされ

 腰痛に悩まされ続けた大岩戸を応援し続けてきたのが、約500人の会員をもつ地元後援会「大岩戸後援会」。関取に定着できず、思うような成績が残せなかった大岩戸だが、心が折れることはなかった。

 「番付が下がっても応援してくれる人がいる」。大岩戸は自分に言い聞かせ、地元後援会をはじめ、周囲の声援を励みに現役にこだわってきた。全勝優勝が決まった5月26日、大岩戸の実家で両親と後援会員らが祝宴を開いたが、その途中に大岩戸から電話があり「次は上を目指せ」という後援会員の声に、「頑張ります」と言い切った。

 大岩戸の父、上林哲弥さん(64)は「夏場所は体が動き、調子が良いとみていた。今の勢いを継続し、(関取が土俵入りの際に締める)化粧まわしをもう一度つけてほしい」と声援を送る。

 また、後援会の齋藤耕紀事務局長(53)は「本人の希望を聞いた上で、何か祝いの品を贈ろうと思う」と述べ、後援会では全勝優勝の記念になる祝い品を贈る考えだ。

 幕下上位に番付を戻すことが予想される名古屋場所(初日は7月9日)に向け稽古に余念がない大岩戸。「けがをせず、7番を取り切れるよう頑張ります」と話しており、関取の座をかけて再挑戦する。