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群馬大、自動運転を加速 部品メーカーと連携、公道実験で開発

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群馬大、自動運転を加速 部品メーカーと連携、公道実験で開発

 自動車の自動運転技術開発を進める群馬大学の取り組みが活発化している。昨年から桐生市内で公道実験を始め、今年度中には前橋市の群大荒牧キャンパスに開発拠点の施設も建設される予定だが、23日には民間企業で3社目となる産学連携を締結。公道実験を通じて自動運転に必要な製品開発で相互に協力する。

 群大が連携するのは大手自動車部品メーカーの東洋電装(東京都港区)。群大は、運転席に人が乗っていなくても走行できる「完全自律型自動運転」を目指し、昨秋から桐生市内の公道で実証実験を始めるなど最先端の取り組みを実施し、両者は公道実験などを通じ、自動運転に必要な部品は何か、開発を進めていくという。

 東洋電装はワイパーやウインカー、窓開閉スイッチなど「操作系」製品を主力とし、ホンダやトヨタと取引があるが、自動運転化が進むことで「従来の部品が必要なくなるのでは…」(同社イノベーション開発部)との危機感がある。

 群大側も、自動運転化により「空間の概念が変わる」とし、車がこれまでの形をしていなくてもよいという認識を持つ。

 東洋電装の高畠成友イノベーション開発部長は「自動運転車に乗る人の気持ちになって、必要とされる部品を開発していきたい」と語る。群大の小木津武樹助教は「多くのノウハウを持つ東洋電装との連携で、より現実的で高度な自動運転の車体を描けるようになるのではないか」と期待する。(久保まりな)

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 ◆基本動作スムーズ、交差点ぎこちなく 10分試乗で未来の車実感

 23日、桐生市内で群大の自動運転車に試乗した。車はトヨタ・プリウスで、屋根にGPS(衛星利用測位システム)や360度見渡せるカメラが搭載され人目を引くが、内部は普通の乗用車と同じ印象だ。後部座席に乗った。

 法律上、運転席には人が乗るが、ハンドルを離して走行。直線部分では、車線の真ん中を走り、人が運転しているのと変わらない安定感を発揮する。ほどなく赤信号にさしかかったが、きちんと車が認識し、停止線の数メートル手前から減速、違和感なく停止した。緩いカーブも、対向車にぶつかりそうになることもない。

 ただ、交差点を曲がる際、「ガタガタ」と左右に小刻みに揺れながらぎこちなく左折するなどの場面があった。小木津助教によると、車には人が運転した軌道の情報があり、それに合わせようとするため生じる現象という。

 約10分弱の乗車体験では、人が飛び出すなどの危険な場面はなかったが、走る、曲がる、止まる-などの基本的な動作は思った以上にスムーズで、未来の車が現実化しているのを実感した。