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赤字脱却へ「社長求む」 平成筑豊鉄道が公募
福岡県の第三セクター「平成筑豊鉄道」は31日、常勤の社長を、全国から公募すると発表した。沿線人口が減って同鉄道は10年以上、赤字決算が続く。民間で活躍した人材に経験や人脈を生かしてもらい、赤字体質から脱却して業績回復につなげる。これまでは同県田川市長が非常勤で社長に就き、経営は専務らが担ってきた。
4月1日から5月末まで募集し、小論文や面接といった試験を経て選ぶ。就任時期は10月上旬で任期は2年。年収は700万円程度の見込みという。同県福智町にある本社への通勤に支障がない地域に住むのが条件としている。
同鉄道は平成元年、JR九州から田川、伊田、糸田の3つの路線を引き継ぎ発足した。輸送人員は平成初めの342万人がピークで、27年度は162万人と半分以下に落ち込んだ。17年3月期決算から最終赤字が続き、累積赤字は1・7億円。沿線9市町村からも財政支援を受けている。
現社長の二場公人・田川市長は「平成筑豊鉄道は地域活性化のためにも欠かせない。再生に向けて手腕を発揮してくれる人に経営を託したい」と語った。問い合わせは同鉄道(電)0947・22・1000。
福岡県によると、全国の第三セクター鉄道のうち由利高原鉄道(秋田県)、ひたちなか海浜鉄道(茨城県)、いすみ鉄道(千葉県)、若桜鉄道(鳥取県)の4社で、公募社長が就任している。