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残留農薬、宮崎を検査拠点に 食の安全分析センター 高精度、輸出後押し

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残留農薬、宮崎を検査拠点に 食の安全分析センター 高精度、輸出後押し

「食の安全分析センター」の残留農薬の測定機器を扱う安藤孝事務長 「食の安全分析センター」の残留農薬の測定機器を扱う安藤孝事務長

 宮崎県は、島津製作所と共同で平成28年春から稼働させた「食の安全分析センター」(宮崎市)を、農作物を輸出する際に欠かせない残留農薬検査の一大拠点にしようとしている。検査のスピードや正確さに自信を持つが、受託数は想定を下回る。輸出を後押しする存在を目指して、新たな検査サービスを模索し、認知度を高める。

 県によると、センターは大阪大や神戸大の協力も得て完成させた最先端の測定機器を備えた。500種類の農薬の濃度を、50分ほどで分析できる。総工費は約2億円。昨年、国際標準化機構(ISO)認定機関から、検査が正確であることを証明する規格も取得した。

 国内で残留農薬を調べる施設は、民間も含めて複数ある。ただ、結果が出るまで一般的に3~10日程度かかる上、検出できる農薬も200~300種類とまちまちという。センターの安藤孝事務長は「間違いなく世界最高の能力」と胸を張る。

 農産物を輸出する場合、相手国からISO認定施設での検査が義務付けられることが多い。高付加価値の野菜や果物を早く正確に検査し、鮮度を損なわずに海外に送り出し、農業者や商社を応援する-というのが、県の狙いだ。

 だが、今年1月中旬までの受託検査数は、約千件にとどまる。28年度目標の2200件にほど遠く、認知度の向上が課題だ。安藤氏は「今までは国際規格の取得に集中していた。これからは、幅広い検査ができることを、県内外にアピールする」と語った。

 一方、29年度からは輸出相手国の残留農薬基準や分析手法を徹底的に調べ、同水準の検査を提供するサービスを、本格的に始める。相手国の検査を“模擬試験”することで、現地での検査を通過できずに廃棄される農産物をなくしてもらう目的だ。

 さらに農作物に含まれる栄養成分も詳しく測定できるよう、設備や態勢を拡充する。健康に良いとされる機能性野菜などの海外への売り込みを、下支えする。

 県農業連携推進課の山本泰嗣課長は「他県にはない攻めの取り組みで、日本の農作物検査をけん引したい」と語った。