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「いざ」に備え水戸「FMぱるるん」スタッフらがアマ無線の免許取得

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「いざ」に備え水戸「FMぱるるん」スタッフらがアマ無線の免許取得

 平成23年3月の東日本大震災後、電話を使えない際の通信手段として、無線の価値が見直されている。水戸市のラジオ局でも、被災をきっかけに女性スタッフらがアマチュア無線の免許を取得し、「いざ」というときに備えるとともに、番組やイベントを通じて無線の普及に努めている。そのチーム名は「ハムガール」。圧倒的に男性が多いアマチュア無線界に新しい風を吹き込んでいる。 (上村茉由)

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 「CQ、CQ、CQ、こちらはJQ1ZKBです。交信願います…」

 「FMぱるるん」で知られる水戸コミュニティ放送(水戸市酒門町)は、無線局を兼ねている。無線局として与えられたコールサイン(呼出符号)は「JQ1ZKB」。自己紹介のように通信の最初に告げる。

 被災きっかけに

 FMぱるるんの女性スタッフからなるハムガールは26年に2人から活動を始め、現在では10人になった。名前はアマチュア無線家を「ハム(HAM)」と呼ぶことからきており、全員が第4級以上の資格を取得している。

 震災直後は水戸市内も停電に見舞われた。同放送局では発電機を使って災害情報を放送し続けたが、電話は使えず、必要な情報を集めるために車で放送局と水戸市役所を往復しなければならなかった。同放送局でパーソナリティーを務める演歌歌手の水田(みた)かおりさんは「手間だったし、リアルタイムな情報を伝えられず悔しかった」と振り返る。

 今後、大規模災害が起きた際、無線を使えれば、スタッフ同士の連絡が円滑に取れるだけでなく、各地のハムから情報を提供してもらうこともできる。免許制で、通信時に互いのコールサインを伝え合うため、メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)よりも情報の信頼性が高いのも特長だ。

 携帯に頼らない

 県内の自治体でも無線の導入が進んでいる。水戸市は23年12月から免許を必要としない業務用無線「MCA無線」の導入を始め、現在約220台を市内の避難所や関係部署に配備。ひたちなか市は21年から数台配備していたが、震災後に大幅に増やした。同市の担当者は「災害対策本部と現場職員の連絡手段として、携帯に頼らない手段を確保する必要がある」と話す。

 ハムガールの一人で、パーソナリティーの君島恵子さん(48)は「『役立つとき』は来てほしくないが、災害時に無線を使えるというのは安心感がある」と話す。水田さんは「いつも使っていないと、いざというときにうまく使えない」と、日頃から地域のハムたちと無線で交流している。

 ハムガールは毎週日曜午後3時から、アマチュア無線の初心者向けのトーク番組を放送。アマチュア無線関連のイベントに参加して普及活動を行うほか、水戸の梅まつりなどのイベントの際には無線を使って水戸市をPRしている。