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アマミトゲネズミを救え 埼玉県こども動物自然公園、繁殖に挑戦

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アマミトゲネズミを救え 埼玉県こども動物自然公園、繁殖に挑戦

 ■環境省の生息域外保全事業の一環

 県こども動物自然公園(東松山市)は、鹿児島県奄美大島に生息する国の天然記念物、アマミトゲネズミの飼育を始めた。トゲネズミ類は世界で日本のみに3種しか生息せず、いずれも絶滅の恐れがある希少種。環境省が進める生息域外保全事業の一環で、同園は雌雄2匹ずつを飼育し、飼育下での繁殖技術開発を目指す。(石井豊)

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 事業は環境省が日本動物園水族館協会と協力し、アマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミ、オキナワトゲネズミを対象に行う。第1弾として生息数が比較的多いとみられるアマミトゲネズミを捕獲して繁殖技術を探ることになり、ハダカデバネズミなどネズミ類の繁殖実績が評価された同園と上野動物園、宮崎市フェニックス自然動物園の3園が飼育施設に選ばれた。

 環境省などのチームが宮崎大など研究機関の協力で1月半ばに奄美大島で捕獲作業を実施。予想より多くのアマミトゲネズミが捕獲でき、フェニックス自然動物園が12匹(雌雄各6匹)、こども動物自然公園と上野動物園は4匹(雌雄各2匹)を飼育することになり、こども動物自然公園には同月28日、搬送された。

 捕獲に参加したこども動物自然公園の高木嘉彦副園長によると、来園したのはいずれも1歳前後。同園では検疫のため、1匹ずつ隔離して水槽内で飼育しているが、ヒエやキビ、野菜などを食べ、環境にも慣れてきているという。

 今後は幅1メートル、奥行き2メートル、高さ1・8メートルの金網製ケージ2つで、雌雄2匹ずつ飼育する計画。ケージは複数の巣箱とブロック、枯れ木、水飲み場などを入れ、温度も生息地に合わせて管理する。ケージ1つに1台のカメラを設置し、常時撮影して観察を続ける。

 アマミトゲネズミは研究機関では飼育例はあるが、動物園では今回が初めて。飼育下での繁殖例もなく、すべてが手探りの状態でのスタートになる。

 高木副園長は「飼育下では4、5年は生きており、ネズミ類にしては寿命は長い。今回は飼育繁殖技術の開発が目的のために非公開だが、他の2施設と緊密に情報交換しながら何とか繁殖を軌道に乗せ、将来的には展示もできるようにしたい」と話している。