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福岡県の当初予算案 朝鮮学校への補助金維持、県の姿勢に大きな疑問

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福岡県の当初予算案 朝鮮学校への補助金維持、県の姿勢に大きな疑問

 福岡県の当初予算案では、朝鮮学校への補助金150万円を盛り込んだ。朝鮮学校をめぐっては北朝鮮の独裁者をたたえる教育内容や、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下にある運営が問題視され、補助を取りやめる自治体もある。福岡県は「運営そのものへの補助ではない」との論法で支出維持を決めた。

 県によると、朝鮮学校へは「外国人学校教育振興事業費補助金」から、前年度と同じ150万円を計上した。朝鮮学校が主催する夏祭りの景品代や、スポーツ親善試合の参加料が支援の対象になるという。

 小川洋知事は17日の記者会見で「朝鮮学校の運営には、補助していない。生徒らが日本の学校や生徒と交流し、日本人の考え方を理解するのは重要だ。そこに着目し、支出している」と述べた。

 朝鮮学校は、学校教育法に定められた中学や高校ではなく、都道府県が「各種学校」として認可している。

 福岡県内では、学校法人「福岡朝鮮学園」(北九州市)が、九州朝鮮中高級学校など計3校を運営する。児童・生徒数は計244人(平成27年度)だった。法務省の在留外国人統計によると、県内には約1350人(28年6月現在)の在日朝鮮人がいる。在日韓国人は約1万5600人だった。

 県私学振興課によると、県の補助金交付要綱に基づき、4年度から同法人に補助金を交付している。

 朝鮮学校への補助金は、北九州市も続ける。市教育委員会によると、29年度は校舎の修繕費などに充てる300万円を計上した。

 福岡では17年度から5年間、学校側が県と同市から補助金を二重取りした問題が発覚した。

 その後、文化交流事業などのソフト面は福岡県が、施設などハード面には北九州市が補助している。

 ■訴訟にも

 全国的に見れば、補助金打ち切りの動きが進む。

 昨年3月、馳浩文部科学相(当時)は、朝鮮総連が朝鮮学校の教育内容、人事に影響を及ぼしていると指摘した上で、朝鮮学校を認可している28都道府県に、補助金などの妥当性について再検討を促す通知を出した。

 この通知を受け、群馬県や神奈川県、三重県などは29年度当初予算案で補助金計上を見合わせた。

 東京都はそれより前に、朝鮮学校の歴史教科書に北朝鮮の独裁者を礼賛する記述が頻繁(ひんぱん)にあるとして補助を打ち切った。

 司法で争われるケースもある。

 大阪府と大阪市は、「日本の学習指導要領に準じた教育活動」「特定の政治団体と一線を画す」などの交付要件を定め、22年度分から、学校法人「大阪朝鮮学園」への補助金不支給を決めた。

 学園側は反発し、支給義務付けなどを求めて提訴した。

 1月、大阪地裁は府・市の交付要件について「相応の合理性がある」と判断し、朝鮮学園側の請求を退けた。学園側は控訴した。

 一方、福岡県の私学振興課の担当者は「補助金は交流事業に出している。朝鮮学校の教科書の内容は確認していない。朝鮮総連と朝鮮学校の関係も把握していない」と語った。

 小川氏は「(教育の政治的中立性について)教育基本法には規定があるが、過去の裁判で『朝鮮学校は法律に定める学校には該当せず、その適用は受けない』とされた」と語った。

 補助金の原資は税金であり、交付を受ける学校にはある程度の政治的中立性が求められるはずだ。

 交流事業への補助とはいえ、少なくとも他の自治体のように、教育内容の確認はすべきだろう。福岡県の姿勢には、大きな疑問が残る。(村上智博)