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新渡戸記念館 地裁、廃止取り消しの訴え却下「市に施設提供義務ない」

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新渡戸記念館 地裁、廃止取り消しの訴え却下「市に施設提供義務ない」

 十和田市にゆかりがある新渡戸稲造の史料を展示する市立記念館を、建物の耐震強度不足を理由に廃止する条例を市が取り消すよう、史料を所有する新渡戸家側が求めた訴訟の判決で、青森地裁は27日、訴えを却下した。

 原告側は、市が文化財として史料保全に努力するとの覚書を根拠に「適切に保管される権利がある」と記念館存続を求めていた。田中一彦裁判長は判決理由で「市は文化財の所有者に、保存や展示の施設を提供する法的義務を負わない。覚書によっても具体的な権利や法的地位は生じず、訴えは不適法だ」とした。

 判決によると、記念館は昭和40年に設立。市は耐震診断で強度不足が明らかになったとして、条例を制定して平成27年7月に廃止した。記念館は、幕末から十和田市の基盤となる町づくりをした新渡戸家の功績を伝えるのが目的。現在も建物はあり、ボランティアによる運営で、従来通り展示物を見ることができる。