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県移管後の国保保険料負担、最大77%増の見通し 健康増進の取り組み必須 埼玉

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県移管後の国保保険料負担、最大77%増の見通し 健康増進の取り組み必須 埼玉

 平成30年度に国民健康保険(国保)の運営主体が都道府県へ移されることに伴い、県は昨年12月に開催された「第1回埼玉県国民健康保険運営協議会」で、新制度に基づく保険料試算額を発表した。試算によると、1人当たりの保険料は県内の全自治体で7~77%増加する。最終的な金額は各自治体の負担割合などにより変動するが、県は「加入者の負担を減らすため、健康増進策などへの取り組みは必須」としている。(菅野真沙美)

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 日本では全ての国民がいずれかの医療保険に加入する「国民皆保険」の制度がとられており、国保には自営業者や無職、74歳以下の高齢者などが加入し、県内の加入者は約200万人。国保は加入者が支払った税金と公費でまかなわれているが、会社員などが加入する健康保険と比較し、高齢者や低所得者層の割合が高いため、財政的に厳しい状況が続いている。県では国保加入者の昨年度の1人当たり医療費が前年度比5%増の30万9605円、実質的収支の赤字額は前年度から約65億円増の約406億円に上った。

 国保運営主体の都道府県移管は、規模を大きくして財政基盤を安定させるとともに、人口構成や所得水準が異なるため市町村間でばらつきのあった保険料を平準化するのが狙いだ。

 県は昨年12月に開催された「第1回埼玉県国民健康保険運営協議会」で、運営主体移管後の保険料の試算を発表。いずれの市町村でも1人当たりの保険料は増加し、増加率が最も高い蕨市が77・31%、最も低い小川町が7・13%となった。

 県国保医療課によると、現段階では市町村ごとの基礎データ精査が不十分で、各自治体の負担割合が確定していないため、実際の保険料は試算額と差が出る可能性があるという。また、一定割合以上の増加が見込まれる場合には、市町村に都道府県繰入金を交付する激変緩和措置が取られる。

 同課担当者は「少子高齢化や医療技術の発展で医療費は今後も増えていくとみられる。国保制度自体の改革に加え、部局横断的な健康増進施策に取り組むなどして、加入者の負担をできるだけ減らしていく必要がある」としている。