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徘徊高齢者を静脈で特定 前橋市、4月から実験的運用 

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徘徊高齢者を静脈で特定 前橋市、4月から実験的運用 

 前橋市は4月から、認知症などで徘徊(はいかい)する高齢者を保護した際、手のひらの静脈認証を利用して身元を特定する「徘徊者身元特定サービス」を実験的に開始する。手のひら静脈認証を利用した生体認証システムを高齢者の身元特定に利用するのは全国初。不明者発見後の身元特定でスピードアップが期待される。(住谷早紀)

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 市は現在、徘徊の可能性があり、介護保険番号を所持する希望者を対象に、GPS(衛星利用測位システム)機器を貸し出し、靴の中に入れたり首からかけたりして身につけるよう指導している。しかし、高齢者が実際に徘徊をする際、機器なしの外出が多く、GPSのみで徘徊高齢者の身元特定をするのは難しいと判断。今回、高崎市のシステム開発企業「クライム」が開発に取り組む手のひら静脈認証システムを実験的に運用し、GPSの弱点を実際に補えるかを調査する。

 手のひら静脈を利用した生体認証は、指紋認証よりも精度が高く、登録してあれば即座に照合できる。警察に保護されて手のひらを照合した際も、端末に表示されるのは介護保険被保険者番号のみで、その後市役所が照合を行うため個人情報漏洩(ろうえい)のリスクも低い。前橋市のサービスは登録無料で、介護保険番号を入力し手のひらをセンサーで読み取るだけなので、数十秒で完了するという。

 現在、市内で何らかの支援が必要な認知症の高齢者1万142人のうち、GPS利用者は31人にとどまるため、希望者に新サービスを提供する予定。その他、徘徊の恐れがあり、介護保険に加入している高齢者も、希望があればすぐに登録を行える。

 利用者を増やすため、市では手のひら静脈を登録するタブレットとセンサーを各家庭へ貸し出すことも視野に入れている。市の担当者は、「気軽に登録できる、時間もお金もかからない。いざというときのお守り代わりに登録してもらいたい」としている。