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広島港、大型輸出船に対応へ改良 水深拡大やクレーン増設などに着手

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広島港、大型輸出船に対応へ改良 水深拡大やクレーン増設などに着手

 マツダを中心に好調な広島港からの自動車関連輸出などに対応するため、国と県が港の改良事業に着手した。大型船も着岸できるように水深を拡大したり、荷物を積むクレーンを増設したりする。あわせて南海トラフ地震なども想定した耐震化を施す。平成30年度に完成する予定。

 対象は港内の宇品地区と海田地区。

 宇品地区は、これまでもマツダが自動車関連輸出に使用してきたが、昭和30~40年代に完成して以降、老朽化。海田地区も50~60年代に完成後、老朽化が目立っている。

 国土交通省中国地方整備局によると、マツダは平成20(2008)年に世界的な金融危機を巻き起こした「リーマン・ショック」の影響で、21年に完成自動車の輸出台数は約22万台に落ちこんだが、その後は順調に回復。27年は約39万台まで伸び、いまも好調を持続している。

 その半面、現在の宇品地区では水深が浅いため大型の輸出船が停泊できなかったり、港に入りきれない輸出船が海上に待機して列をなす“渋滞”が発生したりするなど対応に限界が出ている。

 こうした事態を解消するため、国と県が今回の改良事業に着手した。

 宇品地区では、現在の水深10メートルを12メートルに掘り下げて大型の輸出船などが着岸できるようにするほか、船が停泊する既存の170メートルバース2本を、260メートルバースに再編。近い将来に発生するとされる南海トラフ地震なども想定し、岸壁の地盤や背後の土地に液状化対策を施す。

 海田地区でも、積み出しに使用する荷役機械のクレーンを、現在の2本から3本に増設する。

 総事業費は、宇品地区が約62億円、海田地区が約27億円。

 市内のホテルで事業の着工式典があり、湯崎英彦知事は「広島港は自動車関連産業をはじめとした物流拠点として重要な役割を果たしており、埠頭(ふとう)の再編機能強化が強く望まれる」。菊地身智雄・国交省港湾局長も「自動車運搬船の大型化や需要拡大、施設の老朽化などもあり、旺盛な産業活動を支える広島港の港湾機能の再編強化が必要」と訴えた。