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【年の瀬記者ノート 茨城】進む少子化、学校の統廃合 閉校後の校舎、有効活用法は

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【年の瀬記者ノート 茨城】
進む少子化、学校の統廃合 閉校後の校舎、有効活用法は

 今年ぐらい、取材を通じて県内各地の少子化の波を感じた1年はなかった。県北地区初の小学校統廃合による小中一貫校開校に、今年度いっぱいで閉校となる小中学校の最後の入学式…。住民の話題に上るのも、地域の象徴だった学校への惜別の情と「閉校後の校舎をどうするのか」という学校の活用方法だった。

 そんな中、坂東市が打ち出したのは平成22年に閉校した県立岩井西高(同市上出島)をベトナムからの留学生のための日本語学校として活用する「大学キャンパス化」計画だった。吉原英一市長が「将来に向けた国際化を進めるとともに、若者の定住にもつなげたい」として都内の学校法人と包括的連携協定を締結、市が学校側に施設を無償貸与する形で来春にも開校する方針を固めたのだった。

 ところが、これに議会側が反発する。敷地の一部などを県から購入するための予算案を「経緯など執行部の説明が不十分だ」として反対多数で否決。12月定例市議会でも「東南アジアからの留学生で学校経営が成り立つのか」といった懐疑的な意見も出て、開設の見込みは立っていない。

 市執行部は「そのまま学校として再利用すれば、最低限の改修で済む上、留学生が来れば市内のアパートの空き室対策にもつながる」(同市幹部)と地域活性化を強調するのだが…。

 受け入れる予定だったのはベトナムの名門国立大学「フエ大」の日本語学科の学生。2年間、本国で日本語を学んだ後、日本の伝統文化に触れながら習熟を図ってもらう計画だった。

 将来、ベトナムを背負って立つ若者を受け入れることで、親日派になってもらい日越親善にも大いに役立つという構想は個人的にはグッドアイデアと膝を打ったものだが、そうは単純にはいかないようだ。

 地元では「留学生を頼ってきたベトナム人が、そのまま不法就労者になりはしないか」と治安の悪化を懸念する声も上がる。

 留学生を受け入れるのか、拒否するのか、両者の溝は埋まらないまま年を越していく。(田中千裕)