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29年は「世代交代の波高まりそう」 安岡正篤記念館理事長、松山で講演

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29年は「世代交代の波高まりそう」 安岡正篤記念館理事長、松山で講演

 昭和の歴代首相や財界人の指南役となった思想家、安岡正篤氏の次男で埼玉県にある「公益財団法人郷学研修所・安岡正篤記念館」理事長、安岡正泰氏が松山市で講演し、干支について由来や意味を分かりやすく話し、来年を「世代交代の波が高まり、国際状況からも日本企業への影響が大きくなりそう」と推察した。

 ◆学術的意義ある暦学

 論語や漢学、日本の伝統文化を学ぶ愛媛の若手経営者らの会「青雲の会」(中山紘治郎塾頭)主催の特別講演会で話した。

 正泰氏は干支の由来について、「『えと』と呼ばれるが、本来は中国から伝わった学術的意義のある暦学で十干十二支(じっかんじゅうにし)。二千数百年前の殷墟から発掘された甲骨文字に十干十二支があったとされている」として、干支の歴史の古さを紹介。50~60あった民族の中から漢民族が力をつけて周をつくり、黄河流域に農耕民族として定着し、その支配者が年間の自然現象の変化に対する農産物の生産計画を立てるため、干支が整ったと説明した。その後、陰陽相対思想、五行思想などが加わり干支は深みのある東洋思想の暦学となった。

 ◆陰陽相対思想とは

 十干十二支の「干」は木を例にすれば幹・根、「支」は枝葉・花に相当し、干と支のそれぞれ奇数番目が「陽」、偶数番目は「陰」とされ、組み合わせは「陽と陽」「陰と陰」のみなので計60通り。「60歳を還暦というのはここから来ている」と分かりやすく説明した。

 また、陰陽相対思想は万物を陰と陽で読み解き、五行説は木・火・土・金・水の五つ。「行」は行動の意味、人生、自然の営む作用を表していると説いた。

 平成29年の干支「丁酉(ていゆう)」について正泰氏は意味を読み解き、まず「丁の字は平成28年に続いて伸びる陽気を表す。陽気段階とは4月、5月に当たり、新しい勢力の動きや、盛んの意味と解されている。また、下から上に突き上げるだけでなく、上から下に下る力が強くなるとも解される」とした。

 ◆酉の意味は「熟する」

 続いて「酉はもともとは酒を醸造する器の象形文字で、熟するという意味になる」として、これらの解釈から「各界において世代交代の波が高くなることも考えられる」と推察。日本を取り巻く国際状況については、「英国の欧州共同体離脱、中国の大国化、米国大統領の交代、TPP問題など日本企業に対する影響も大きくなりそう。念願するのは天変地異の起こらないこと」と話した。

 郷学研修所は昭和6年、正篤氏が日本農士学校として設立。東洋の古典、哲学を学び、国家社会に役立つ人間の形成を目指した。昭和21年には連合国総司令部の命令によって解散し、その後も復活と変遷を経て37年に教育活動を終了。しかし、卒業生らから惜しむ声が相次ぎ、昭和45年に財団法人郷学研修所が設立。平成24年に公益財団法人として認定を受けた。

 正泰氏は東京生まれで日本通運常務取締役中部支店長などを歴任、同社を退社後、父の思想を継承し普及する活動に取り組んでいる。