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島根県議会、慰安婦意見書撤回求める請願不採択 元軍人ら無念

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島根県議会、慰安婦意見書撤回求める請願不採択 元軍人ら無念

 島根県議会が平成25年に議決した慰安婦問題に関する意見書の撤回決議を求めた請願が16日、県議会本会議で不採択となった。意見書が論拠とする米議会下院決議や河野談話などの前提が大きく揺らぎ、他の自治体で同様の意見書撤回の動きがみられる中での請願だったが、提出した元軍人らは「なぜ誤った認識を放置しておくのか」と悔しさをにじませた。

 県議会は25年6月、「日本軍『慰安婦』問題への誠実な対応を求める意見書」を議決し、政府などへ提出した。慰安婦に対する旧日本軍の関与を認めた平成5年の「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」や、米下院が2007(平成19)年に「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷とした」として謝罪を求めた決議などに言及。その上で政府に、河野談話の実行を求める内容だった。

 今回請願を出したのは、山陰両県の元軍人「島根戦中派の会」の4人。同種の請願提出は、26年12月に続いて2度目となる。

 提出者の1人、松本良博さん(90)=松江市八束町=は「日本や戦友の名誉回復のため、撤回してほしかった」と嘆く。15歳で少年飛行兵となり、福岡県の大刀洗(たちあらい)陸軍飛行学校で指導者として終戦を迎えた松本さん。「同期の多くが大陸などに出征したが、『従軍慰安婦』という言葉など聞いたことがなかった。日本をおとしめるための戦後の造語だ」と振り返る。

 同日の本会議に先立って審査が行われた総務委員会では、成相安信議員が「虚偽の証言に基づく突拍子もない内容が、意見書で文章化されている」と撤回を訴えた。

 これに対し、他議員は「当時、女性が人権侵害を受けた事実はある」「島根県議会が河野談話の是非を判断すべきでない」などと撤回を否定。採決の結果、不採択となっていた。

 「当時の実情を知る者として本当に悔しい」と松本さん。成相議員も「竹島問題を抱える島根県としては慰安婦問題への対処を自ら正し、歴史を正しく理解するべきだ」と指摘する。

 「『慰安婦の真実』国民運動」(本部・東京)によると、全国で42自治体が同種の意見書を議決。このうち6自治体が撤回などを行っている。