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【Newsちば深読み】幸町1丁目コミュニティ委員会

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【Newsちば深読み】
幸町1丁目コミュニティ委員会

 ■高齢者支援や美化に地域一丸

 自治会役員OBを中心に活動する千葉市美浜区の住民団体「幸町1丁目コミュニティ委員会」が、地域の高齢者支援や美化といった地域活動に積極的に取り組んでいる。「行政に頼り過ぎず、自分たちの街は自分たちで作る」を目標に、独自の活動を続ける同委員会は、住みよい地域社会を目指す活動を表彰する「平成28年度あしたのまち・くらしづくり活動賞」の内閣総理大臣賞を受賞。高齢化などの問題を抱える他地域のモデルケースとして注目が集まっている。(大島悠亮)

 ◆「ふれあい市」を開催

 暖かな日差しが差し込む冬の日の朝。幸町のマンション敷地内の一角では、「金曜ふれあい市」と書かれたのぼりとともに、多くの野菜や総菜が台の上に並んでいた。15年ほど前に地域のスーパーが閉店したことを受けて、同委員会が約5年前から開催しているという。

 「高齢者が遠くまで買いに行くのは不便と考え、5年で200回以上は開催した。1日に120~130人が買いに来るし、品揃えも豊富で地域の方々に喜んでもらっている」。同委員会会長の蟹江将生さん(74)はうれしそうに話した。

 幸町1丁目地区は、マンションなどの集合住宅が密集しているが、入居後40年以上を超える世帯も多く、マンションの高齢化率は40%を超えているという。蟹江さん自身もマンションの住人で、12年前に委員会の会長に就任。地域の課題に長期的に取り組もうと、通常1、2年の任期で交代してしまう自治会で役員活動に熱心に取り組んだ人らに声をかけ、「安心安全の町」「活力と魅力のある町」を目指して地域活動に取り組んでいる。現在は58人の会員が所属している。

 同委員会は町の美化にも取り組んでいる。16年の夏、地域の小学生が町に落ちているたばこの吸い殻を見て、「なんで大人はこんなところに捨てるの」と話したことがきっかけで、同委員会は17年から「火消し処」(吸い殻入れ)を7カ所設置し、定期的に清掃活動を行った。その結果、「路上の吸い殻を集めたら、1日400~500本はあった」(蟹江さん)という地域が、見違えるほどにきれいになった。

 また、高齢者支援では7年前に「安心サポートの会」を立ち上げ、高齢者のごみ出しや電球の交換、病院への付き添いなどを手伝う。「無料だと頼みにくい」という声もあり、利用料は1時間500円、ごみ出し1回100円と気軽に頼みやすいような価格設定となっている。

 ◆貢献のきっかけ作る

 同会代表の五老海(いさみ)満喜子さん(70)によると、80歳以上の高齢者を中心に約180人の利用客がおり、年間の利用は800件以上に上っているという。サポート役は約60人で、いずれも地域の住民だ。五老海さんは「利用者から『この地域に住み続けたい』と感謝されることもある。非常にうれしい」と活動のやりがいを説明した。

 昨年11月にオープンしたサロンも、60人のボランティアで運営。1年間で1万人を超える利用があり、地域の憩いの場として定着した。

 なぜ、これだけ地域住民の積極的な参加を実現できたのか。蟹江さんはこう説明する。

 「地域に貢献したいが、きっかけがないという人は多い。その機会をできるだけ作ってきた。また、気軽に参加できるように、『1月1回2時間半だけ』などと負担を軽くして参加を呼びかけている」

 今後の課題は、活動を引き継ぐ次の世代を探すことだ。蟹江さんは「すでに40、50代の住民が公園にあじさいを植えて管理する活動に取り組んでくれている。『横の絆』を築き、地域に愛着を持ってもらうことで、活動は続いていくと考えている」と話した。