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逆境耐え奮戦、奄美出身の新十両明生 けが克服、九州場所で勝ち越しめざす

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逆境耐え奮戦、奄美出身の新十両明生 けが克服、九州場所で勝ち越しめざす

十両として迎えた九州場所で健闘する明生 十両として迎えた九州場所で健闘する明生

 大相撲で21歳の明生(立浪部屋)が、新十両として迎えた九州場所(福岡国際センター)で健闘している。「我慢をすれば見えてくるものがある」と逆境に耐え、関取の座を射止めた。

 相撲が盛んな鹿児島県・奄美大島の瀬戸内町出身だ。小学6年の時に全国大会で優勝した。多くの部屋からスカウトが来たが、最も熱心に誘ってくれた立浪部屋入りを決心した。

 ところが、デビューが間近に迫った平成23年2月に角界の八百長問題が発覚した。15歳だった当時の心境は「幻滅した」。一度は力士の道を断念することも考えたが、「こういう時期だからこそ、縁もあるかもしれない。相撲しかない」と身を投じた。

 25年初場所に幕下へ昇進したが、腰のヘルニアに苦しみ三段目との往復が続いた。全身に力が入らず、相撲を取る時も体が勝手に尻もちをついてしまう。引退を考え、父の昌也氏に電話をした。

 「好きにしろ。辞めたら、帰ってくるな」。父の叱咤に発奮して、再び土俵に向かった。十両昇進の報告をしても、父は「ここがスタートラインだからな」と厳しく、励ました。明生は「もっとはしゃぐかなと思っていたんですけどね」と苦笑いした。

 元横綱朝青龍に憧れ、180センチ、143キロの体を目いっぱい使う。川畑明生という本名に込められた願いは「明るく生きる」。そこから、しこ名を付けた。

 九州場所の3日目で十両初白星を挙げた。9日目を終えて4勝5敗。黒星一つ先行するが、勝ち越しも期待できる。

 「同期の大関照ノ富士関と対戦できるところにいくまで、稽古するしかない」と希望を胸に努力を続ける。