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汚染廃棄物「基準以下は一斉処理」 宮城市町村長会議で県提案

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汚染廃棄物「基準以下は一斉処理」 宮城市町村長会議で県提案

 東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む汚染廃棄物の処分で、県は3日、放射能濃度が国の基準(1キロ当たり8千ベクレル)以下の廃棄物について、県内の自治体などの焼却施設で一斉処理する方針を明らかにした。仙台市内で同日開催された市町村長会議で提案した。

 県によると、放射能濃度が国の基準を超えているが、地元自治体の判断で国への申請がなかった「未指定」の廃棄物約2600トンについて、環境省が再測定した結果、7割以上の約2千トンが基準以下となった。また、県内に分散保管されている基準以下の廃棄物について、県が測定した結果、約3万4千トンに上ることが分かった。

 これらの計約3万6千トンの廃棄物が処理対象で、県は家庭ごみを混ぜて焼却することで、放射能濃度の上昇を制御できると説明。自治体などが保有するごみ処理施設で焼却処分する方針を提案した。焼却灰も自治体の最終処分場に埋め立てる。焼却以外にも、堆肥化などが可能とした。12月下旬に再度会議を開き、市町村側の合意が得られれば、年明け以降、試験焼却を始める。安全性が確認された後、本格焼却に移行する。

 村井嘉浩知事は「廃棄物の保管自治体だけの責任にするのではなく、みんなで前に進むという考えだ。次回の会議で合意を得たい」と協力を求めた。利府町の鈴木勝雄町長は県の方針に理解を示しながらも、「風評被害が心配される。住民に安全性を説明する場を設けてほしい」と語った。

 ◆知事「批判の矢面に立つ」

 会議終了後、村井知事は報道陣の取材に「基本的に県の方針について理解をいただいたと思う。だが、住民は不安を持っていると思うので、県も批判の矢面に立って説明していきたい」と語った。

 試験焼却については仙台市などで先行事例があり、「こうした自治体の知見をベースに進める」とした。

 汚染廃棄物の処分については「震災から5年半以上たっても、なお足踏み状態だ。この問題を解決しない限り、『復興は終わった』と胸を張ることができない」と述べ、解決に向け改めて意欲を示した。