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「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」に大阪の須田さん

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「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」に大阪の須田さん

 推理作家、島田荘司氏の出身地・福山市が主催する「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の第9回受賞作が、大阪市東成区の須田狗一さん(63)の「殺人者は手に弓を持っている」に決まり、実行委が31日、発表した。受賞作は改稿されて来年5月、光文社から出版される予定。

 今回の「福ミス」には、昨年5月から今年5月までの募集期間に、海外からを含めて105作の応募があった。第1次選考で24作、協力出版社(光文社、原書房、講談社)による第2次選考で4作に絞られ、福山市出身のミステリー作家、島田氏が受賞作を選んだ。受賞作のほか優秀作と準優秀作が1点ずつ選ばれ、それぞれ出版が予定されている。

 受賞作は、第2次世界大戦中のナチス高官暗殺と、現代の日本とポーランドで起きた2件の殺人事件がからむ謎を、関係者との接点を持った日本人翻訳家が解き明かすストーリー。

 島田氏は「実際の歴史を背景にした重厚な物語であり、海外での主人公の振るまいがリアリティーを持って描かれている。この賞がなければ埋もれたかもしれない団塊の世代の才能が発掘できたことを喜んでいる」と述べた。

 須田さんは、システムエンジニアとしてIT企業に約30年勤めた。退職後は趣味で海外の推理小説を翻訳し、創作は受賞作が2作目。すでに15作を完訳した翻訳も含め、作品が出版されるのは初めてという。

 福山市丸之内のふくやま文学館で開かれた発表会見に、島田氏や実行委員長の枝広直幹市長らと出席した須田さんは「賞を支える文化を持つ福山市民に感謝している。憧れている島田先生から講評をもらうために応募した。自作が読者の目に初めてさらされることになり、期待が7割、不安が3割というところ」と話した。