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本紙・長戸外信部長「頼れるのはクリントン氏」 栃木「正論」友の会

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本紙・長戸外信部長「頼れるのはクリントン氏」 栃木「正論」友の会

 栃木から日本のあるべき姿を考える「栃木『正論』友の会」の第8回講演会が30日、宇都宮市陽西町の県護国会館で開かれた。産経新聞の長戸雅子・前外信部長(現大阪総合編集部長兼論説委員)が「揺らぐ大国の選択は何をもたらすのか 日米同盟の行方」と題して講演。11月8日に迫った米大統領選が日本に及ぼす影響などについて解説した。

 講演会には、産経新聞社の「正論」路線に賛同する読者ら約70人が参加。

 長戸部長は、最新の世論調査や取材に基づき、民主党候補のヒラリー・クリントン氏が支持率の数字以上に共和党候補のドナルド・トランプ氏をリードしていると分析。「米連邦捜査局(FBI)の捜査再開も全く響かないわけではないが、それでもかなりの差を付けている」とした。

 両候補の日本に対するスタンスは、「同盟国と協力すると言っているし、東アジアの問題でも頼れるのは圧倒的にクリントン氏。トランプ氏はいい加減で、きちんとした世界観もない」と切り捨てた。

 また、大統領選後は米国の関心を再びアジアに向ける必要性を強調。「民主主義で世界の秩序をつくる力は米国にしかない。待っているだけではだめで、アジアに引き戻す働きかけを日本も積極的にアピールしていくべきだ」と述べた。

 質疑応答では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に両候補が反対していることについての質問が上がり、「(クリントン氏は)どうも選挙対策用に反対しているようだ。重要な最初のかじ取りになる」と答えた。

 また、加藤達也前ソウル支局長が韓国当局に起訴された事件で、外信部長として対応に当たった体験談に多くの来場者が関心を寄せた。小山市の無職、石崎裕規さん(70)と妻の享子さん(64)は「正論友の会はほぼ毎回、来ている。ソウルでのリアルな話や裏話が聞け、最前線でニュースを取る危険が分かった。部長が現地で対策に当たっていたことも知らなかった」と話した。

 栃木「正論」友の会では今後も講演会などを開催する。問い合わせは、栃木「正論」友の会事務局(産経新聞社宇都宮支局内)(電)028・621・3611。

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 ■講演要旨

 ◆トランプ支持層は劇薬求める

 トランプ氏は、グローバリズムで損をしたと考える白人ブルーカラー層から熱狂的な支持がある。黒人やアジア系、ヒスパニック系に生活を脅かされ、自分たちの価値観が消えつつあるという恐怖、怒りがある。今まで米国を支えてきたと思ってきた人にとっては非常にショックで劇薬が必要だと思っている。

 ◆FBIの捜査再開は情勢影響?

 支持率が開いているからFBIが捜査を再開しようとしているのではないか。捜査の開始は選挙戦で打撃になるので、接戦だったらしていなかったのではないかと感じる。FBIは権力に左右されない姿勢を見せられるし、クリントン氏も捜査に応じることで公正な姿を見せることができる。

 ◆米国不参加のTPPは失敗する

 TPPは米国が提唱した。経済だけでなく安全保障の側面もある。言い出した米国が入らないと成功しない。米国のいなかった国際連盟はすぐにだめになった。構図としては似ていて米国がいないTPPは失敗することが目に見えている。新大統領は当面、内政重視になり、先行きは不透明。