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絵本作家・かこさん、子供にメッセージ「よりたくましくあれ」 神奈川

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絵本作家・かこさん、子供にメッセージ「よりたくましくあれ」 神奈川

 ■藤沢市の図書館にイラスト寄贈、特設コーナーも

 「だるまちゃんとてんぐちゃん」「からすのパンやさん」などで知られる藤沢市在住の絵本作家、かこさとしさん(90)が、市総合市民図書館の開館30周年を記念して、だるまちゃんなどが描かれたイラストを同図書館に寄贈した。イラストには子供たちに向けて「よりたくましくあれ」などとメッセージを寄せている。

 イラストには、かこさんが描いたキャラクターのだるまちゃんやカラスとともに故郷の福井県に生息したというコウノトリが描かれている。コウノトリについては「自然との共生を願い、その象徴として描いた」とその思いを披露。また、「よりうつくしくあれ、よりたくましくあれ、よりすこやかであれ」と記したメッセージについては「これまでも子供たちに念仏のように唱えてきた言葉だ」と笑顔で語った。

 かこさんは福井県に生まれ、会社員時代は川崎市に住んでいたが、その後、絵本作家としての活動に専念するために静かな環境を求め、昭和47年、藤沢市に移住した。これまで児童向けの絵本など約600作品を著し、現在も創作活動に励んでいる。

 今年10月に藤沢市総合市民図書館が開館30周年を迎えるのを契機に、市が5月に直筆イラストの寄贈をかこさんに依頼。かこさんは「長年住んでいる藤沢市への恩返し」と快諾し、メッセージを記したイラストを寄せた。「図書館は子供たちへの最高の贈り物。じっくりと自分のペースで本を読みながら、自分の進む道を決めてほしい」と語った。

 鈴木恒夫市長は「市民が元気になるような絵で、大事に展示させていただく」と話した。

 同図書館では1階中央展示コーナーにイラストと「だるまちゃんとてんぐちゃん」の原画複製を展示した。また、同図書館地下1階の「こども図書館」にかこさんの作品約100冊を一堂に集めたコーナーを設けた。12月27日まで。

 かこさんは90歳となった今でも1日6時間以上も机に向かい、創作活動に励んでおり、年内と年明けにも新作を予定している。また、海外での出版も予定しているという。

 かこさんは「今でも書きたい作品がいっぱいある」として、今後も意欲的に創作活動を行う予定だ。

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【プロフィル】かこさとし

 大正15(1926)年3月、福井県武生市(現在の越前市)に生まれる。東京大学工学部応用化学科卒業後、昭和電工に入社。研究活動の一方で児童向けの紙芝居活動などを行う。その後、絵本作家として独立。「だるまちゃん」シリーズをはじめとする児童向け絵本に加え、伝統行事や科学に関する絵本のテーマは幅広い。平成20年に菊池寛賞、21年に日本化学会より特別功労賞を受賞。