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広島市でフードドライブ 家庭で眠る食品役立ててごみ減量へ

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広島市でフードドライブ 家庭で眠る食品役立ててごみ減量へ

 家庭で眠っている食料を持ち寄ってフードバンク団体に寄付し、生活に困窮している人たちの支援に役立ててもらう活動「フードドライブ」が、広島でも広がりをみせている。広島市は9日、食べられるのに処分されている「食品ロス」対策を進めようと、市内2会場で初めてフードドライブを実施した。

 「家の片隅で忘れられている食品を寄付するんです」

 広島市中区南吉島にある市環境局中工場。この日開かれた環境イベント「エコロジーマーケット」に出店した市環境局の担当職員が、家族連れにフードドライブの取り組みを説明していた。レトルトのご飯にそうめん、お菓子に缶詰…。ブースの前に置かれた段ボール箱には、市の呼びかけに応じた市民が持参した食料が入れられていた。

 「ごみの中には食べられるのに捨てられているものがある。市民に『もったいない』感情を取り戻してもらうことが、ごみ減量につながるのです」。市業務第一課の林篤嗣・指導担当課長は、そう力を込めた。

 フードドライブは、米国などでは食品ロスを減らす活動として定着している。広島市によると、市内では平成19年に設立された「NPO法人あいあいねっと」(安佐北区)がフードバンク活動を実施。食品を扱う企業などから賞味期限が近いなど食べられるのに販売できない食料を譲り受け、生活が厳しい人たちを支援する団体や福祉施設などに無料で提供している。27年は約20トン、累計約120トンの食料が支援に役立てられたという。

 市の試算によると、27年度の食品ロスの量は企業で2・2万トン、家庭からも1・2万トンに上り、市全体の可燃ごみの約12%にあたる。これらの食品ロスを減らせば、ごみ処理経費の削減にもつながる計算だ。

 この日のフードドライブは、中工場のほかに、2年前からこの活動に取り組んでいる広島文教女子大学(安佐北区)の学園祭でも実施。2会場でペットボトル飲料やインスタント食品、缶詰など計144個の食料が集まり、あいあいねっとを通じて、市内の母子・父子家庭支援団体や福祉施設などに無償提供する。

 林課長は「とても手応えがあった。企業のようなまとまった提供でなく、家庭からの提供でも役立つ。食品ロス削減に向けて継続して取り組みたい」と話した。