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千葉市の泉自然公園、来園者数ピーク時の半分以下… 集客アップ アイデア求む!

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千葉市の泉自然公園、来園者数ピーク時の半分以下… 集客アップ アイデア求む!

 千葉市は、市が管理する泉自然公園(若葉区野呂町)の集客、魅力向上などを図るため民間事業者からの提案を募集している。同園の利用者は減少の一途をたどっているためだ。過去に“民間の知恵”で劇的な集客アップをもたらした施設もあり、市担当者は「少し突飛(とっぴ)な提案でも構わない」と、民間の自由な発想に期待を寄せている。(林修太郎)

 「30代の長女と長男がまだ小さいころは、毎週のように来ていた。ウサギなどの小動物の飼育小屋もあって楽しんだ。小学生ぐらいになると自転車を借りてサイクリングしたものだよ」

 7日、同公園を訪れていた中央区に住む無職、加藤猛さん(66)は、懐かしそうに話した。平日とはいえさわやかな青空が広がる日和に恵まれたが、園内に人影はまばらだった。加藤さんは「音楽祭なんて開いたらいいと思う。自然が豊かだから、夜の公園を散歩できたらおもしろいかも」と話していた。

 同園は42・8ヘクタールの敷地を誇り、「日本さくら名所100選」としても知られる。昭和44年に開園以来、半世紀近くにわたり市民に親しまれてきた。カワセミやフクロウなどの野鳥の姿もみられる。桜はもちろん、秋は紅葉でも有名で現在も多くの利用者でにぎわう。しかし、夏冬のオフシーズンの利用者は、その数分の1程度まで落ち込む。

 市によると、同園の利用者は昭和49年度に36万人を数えた。かつては都内からバスで遠足に来る人々でにぎわったが、昨年度には約14万5千人とピーク時の半分以下まで減少。園内で自転車を貸し出していたサイクリングセンターも利用者の減少から平成24年末で廃止。園内には売店も1つもなく、飲料の自動販売機があるのみだ。

 市は利用者数の低迷の原因をレジャーの多様化にあるとみている。担当者は「昔は休日、公園にピクニックに行くような家族も多かったが、現在は少なくなった。大型の娯楽施設出現の影響もある」。

 一方、同市には利用者が劇的に増加した成功例もある。稲毛海浜公園の再生で「東京湾を望むレストラン」を条件にアイデアを募集。サイクリングセンター跡地に今年3月、レストランなどの複合施設「ザ・サーフ オーシャンテラス」がオープン。5月単月の同施設の利用者は、サイクリングセンター当時の約5倍に増えた。

 入場者が減少傾向の続いていた市動物公園は、ライオンを導入したことでV字回復した。「泉自然公園もやり方次第で利用者が戻ってくる可能性はある」と市担当者。企業からの問い合わせはすでに複数件来ており、市担当者は自ら心当たりのある複数の企業に連絡を取る「営業」にも余念がない。

 市内では昭和の森公園(緑区)の利用者も減少傾向にある。レジャーを取り巻く環境に身を委ねているだけでは、ますます存在感が薄くなるのは避けられそうにない。泉自然公園再生に向けたアイデア募集では、「自然に配慮したアイデア」とする以外は制限を設けず、民間の柔軟な発想に期待している。

 今月24日には現地で説明会も開かれる。提案の応募は12月2日まで。

 問い合わせは市緑政課(電)043・245・5774へ。