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しまなみ遊覧飛行スタート 尾道発、水陸両用機で50分

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しまなみ遊覧飛行スタート 尾道発、水陸両用機で50分

 尾道市のマリーナを起点に水陸両用機で、「村上海賊ゆかりの島々」として日本遺産に認定された芸予諸島の景観を上空から楽しむ遊覧飛行が10日、始まった。海や湖に離着水できる水上機の営業運航は国内では約50年ぶり。チャーター利用や災害時の支援にも対応する計画で、運航会社は「瀬戸内海観光の活性化に加え、交通手段としての可能性を示すことで水上機の普及に努めたい」としている。

 運航するのは造船大手の「常石造船」(福山市)を中核とするグループの1社「せとうちSEAPLANES(シープレーンズ)」(尾道市)で、この事業のため平成26年11月に設立。水陸両用機の購入やパイロットの訓練、運航拠点の整備、航空運送事業の免許取得といった準備を進めてきた。

 今回就航したのは、米クエストエアクラフト社製の10人乗り小型機「コディアック100」に離着水用のフロートをつけた水陸両用機で1機約4億円。すでに4機を購入しており、年度内に8機に倍増する計画となっている。

 当初は、拠点施設の「オノミチフローティングポート」がある尾道市浦崎町のベラビスタマリーナ発着で、因島や生口島、大三島、伯方島などしまなみ海道が結ぶ芸予諸島の上空を巡る約50分の遊覧飛行「せとうちディスカバリーフライト」だけに限定し、1日4便を運航する。将来的には、宮島(廿日市市)や小豆島(香川県)への遊覧飛行、広島空港(三原市)や関西国際空港(大阪府)などの送迎といった事業拡大を目指している。

 初日は2便を運航し、待望の“1番機”は記念セレモニーを終えた正午前、機長と運航スタッフ、乗客7人の計9人を乗せて桟橋を離れ、マリーナ沖の海面を離水した。初便に搭乗した福山市瀬戸町の採石会社社長、小澤維佐務さん(77)は「水上機の遊覧飛行が始まると知って、ぜひ1番機に乗ろうと、飛行機マニアの社員を誘って予約した。ヘリコプターに乗ったことはあるが、ビジネス利用と違い飛行高度も低く、景色を楽しめた。この景観はまず地元の人たちに知ってもらい、よその地域に宣伝してほしい」と感想を述べた。

 同社の松本武徳副社長は「半世紀ぶりの水上機による事業であり、瀬戸内海の多島美を堪能できるコースを設定した。多くの人に水上機の楽しさを伝えていきたい」と話した。

 9月までの運航ダイヤは午前10時25分発、同11時45分発、午後2時45分発、同4時5分発。